長年使われていない物件で契約していた電力会社から、突然の電気料金の請求書が届くことがあります。特に、契約者が亡くなっている場合や住所変更がされていなかった場合、支払い義務や対応方法に不安を抱く方も多いでしょう。今回は、そうしたケースでの実践的な対応策を解説します。
契約者が亡くなった場合の電気契約の扱い
契約者が死亡した場合でも、その契約は自動的に終了しません。電力会社に通知しない限り契約は継続され、料金も発生し続けます。したがって、相続人または遺族は速やかに電力会社へ契約終了の申し出を行う必要があります。
契約者死亡後の放置が長期化すると、未払い分が相続財産の負債として請求される可能性もあるため注意が必要です。
基本料金の発生と通知が届かない場合の問題点
「基本料金なし」プランであっても、電力会社の方針変更などにより途中から基本料金が発生するケースがあります。その通知が届かなかったのは、住所変更を行っていなかったことが主な原因です。
法律上は、契約者側に通知先変更義務があるため、通知が届かなかったことを理由に支払いを拒否するのは難しい場合が多いです。
支払い義務の有無と拒否できる可能性
原則として、使用の有無に関係なく、契約が継続している限り基本料金や請求額の支払い義務が発生します。たとえ使用実績がなくても、電力会社は電力供給の準備を維持していると解釈されるためです。
ただし、亡くなった契約者に対する未払い請求については、相続放棄していれば支払義務は免れることができます。また、契約者本人ではなく相続人宛てに請求されている場合、その妥当性を電力会社に問い合わせることが重要です。
具体的な対応ステップ
- 電力会社へ契約者死亡と物件の使用実態を伝える
- 必要であれば、死亡診断書や除籍謄本を提出
- 契約終了手続きを正式に行う
- 請求内容の内訳と期間の確認
- 不明点があれば国民生活センターなどへ相談
これらの手順に従って対応すれば、不要な支払いを回避できる場合もあります。
過去の事例|請求が取り消されたケースも
あるケースでは、8年間未使用だった小屋の契約者が亡くなった後、家族が電力会社に死亡届と物件の未使用証明(写真や近隣証言)を提出したことで、請求が取り消された例があります。
このように、「誤請求」や「契約の継続ミス」である可能性もゼロではないため、必ず事実関係を確認しましょう。
まとめ|通知義務と契約状態の確認を怠らない
突然届いた電気料金の請求には、驚きと不安が伴いますが、契約状況を正確に確認し、必要な手続きを冷静に行うことが最も重要です。契約者が亡くなっている場合や通知が届いていない場合でも、契約継続の責任は一定程度、契約者または相続人側にあります。
不安がある場合は、消費者センターや弁護士など専門家に相談して、正しい対応を行いましょう。