後遺障害14級9号が認定された場合の慰謝料・損害賠償の相場は?通院日数・年収別の具体例で解説

交通事故で首や肩などにしびれや痛みが残った場合、後遺障害の等級認定を受けることで、追加の損害賠償を受け取ることが可能です。なかでも「後遺障害14級9号」は、交通事故のむちうち症などで最も多く申請される等級の一つです。本記事では、後遺障害14級9号が認定された場合の慰謝料や損害賠償の総額目安について、具体的な通院実績・年収データをもとに解説します。

後遺障害14級9号とは?認定される症状の一例

14級9号とは、「局部に神経症状を残すもの」と定義される後遺障害で、主に以下のような症状が該当します。

  • むちうちによる頚部・肩・背中のしびれや痛み
  • 腰痛や違和感が残り、長時間の同一姿勢が困難
  • MRIなどで明確な異常は出ないが自覚症状が続く

医学的な証明(他覚所見)が難しいものの、日常生活に支障をきたすような症状が残っていれば認定される可能性があります。

14級9号で認定された場合の慰謝料と後遺障害逸失利益

14級9号が認定された場合、弁護士基準で支払われる金額の相場は以下の通りです。

  • 後遺障害慰謝料:110万円(弁護士基準)
  • 逸失利益:症状の影響による将来的な労働能力の低下に対する補償

逸失利益の計算は以下の通り行います。

年収 × 労働能力喪失率(5%) × 就労可能年数に応じたライプニッツ係数

たとえば、事故当時23歳・年収450万円の場合、就労可能年数を42年(65歳まで)とし、係数を約17.0と仮定した場合、

450万円 × 0.05 × 17.0 = 約382万円

となり、これが逸失利益の目安額です。

通院慰謝料の相場と支払い対象になる損害

通院回数・期間に応じて「入通院慰謝料」も発生します。通院109回、期間8ヶ月という実績から見ると、弁護士基準での入通院慰謝料はおおよそ以下のようになります。

弁護士基準による通院8ヶ月(約240日)の慰謝料:90万円〜100万円前後

また、休業損害(事故によって仕事を休んだ10日分)も以下のように計算できます。

日額12,300円(年収450万÷365日) × 10日 = 約12万3,000円

最終的な賠償総額のシミュレーション

今回のケースに基づき、後遺障害が認定された場合の支払い合計例は以下の通りです。

損害項目 金額(概算)
入通院慰謝料 約90万円
休業損害 約12.3万円
後遺障害慰謝料(14級) 110万円
逸失利益 約382万円
合計 約594万円

※実際の金額は個別の事情や保険会社の交渉状況により変動します。弁護士の関与によって増額される可能性もあります。

まとめ:後遺障害14級9号でも正しく請求すれば数百万円の補償に

一見軽い症状に見えても、長期間にわたる通院や神経症状の継続があれば、14級9号としての後遺障害認定が可能です。その場合、慰謝料・逸失利益を含めて合計500万円〜600万円前後の補償が得られる可能性があります。

しっかりと通院記録を残し、弁護士のサポートを受けながら適正な等級認定を目指すことが大切です。

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