2025年4月から成年後見人の「定期報告」に提出する報告書式が大幅に変更されました。本記事では、変更点のポイントと背景、対応方法をわかりやすく解説します。
全国統一書式への切替
従来、家庭裁判所ごとに報告様式が異なっていた定期報告書式が、令和7年4月から全国共通となりました。
メリット：書式の統一により、形式への混乱や手間が軽減されます。
記載項目の追加と細分化
今回の改定では、報告書に健康状態・意思確認・財産管理などの詳細項目が追加されました。
具体例として、収支の変化は「臨時収支」まで別紙に記載が求められ、面談を通じた本人の意思反映も義務付けられました。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
初回報告書の追加提出
新たに初回報告書の提出が要件化されました。後見人就任後、定期報告とは別に初回に特化した報告書の提出義務が発生します。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
財産管理と支援者情報の詳細記載
「本人の支援者」や「財産移動の詳細」など、後見活動の体制や実績を丁寧に記載する必要が増えました。
支援者の氏名・関係性・対応内容まで明記し、後見者チームの連携状況を含めて報告書に書式化されました。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
報酬付与申立時の別紙提出義務
報酬申立てに際しては、業務内容ごとの詳細説明を列記した別紙（事情説明書）を添付する必要が出てきました。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
変更の背景と目的
これは「本人の意思尊重」や「身上保護の実践」を確実に報告する制度強化の一環です。2023年度から検討され、2025年から本格運用が始まりました。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
後見人の負担か、透明性の向上か？
書式変更により記載負担は増加しますが、一方で裁判所の監督力や報酬算定の公平性が向上します。支援者との連携が文書で明確になり、後見業務の質が高まる狙いがあります。
実務対応のポイント
- 新様式は裁判所HPから入手し、必ず最新版を使用する
- 初回・定期両報告書の提出スケジュールを把握する
- 日常の面談記録や収支データを整理し、別紙用に備える
まとめ
2025年4月からの報告書式変更では、全国統一・本人意思の確認・支援者との連携強化・報酬合理化が重視されています。
確かに記載の手間は増しますが、これにより後見制度の透明性と質が向上します。後見人としての責任を果たすためにも、早めの準備と対応が求められます。