交通事故の現場で相手の車がそのまま逃走してしまった――そんなとき、慌てながらも「ナンバーの4桁だけは何とか覚えていた」という方も少なくありません。果たしてそれだけの情報で警察は動いてくれるのか、どこまで有効なのか、本記事では当て逃げやひき逃げ時の通報におけるナンバープレート情報の取り扱いと、記録すべきその他の要素について解説します。
ナンバーの「4桁数字だけ」でも警察は調査してくれるのか?
結論から言うと、数字の4桁だけでも警察にとっては有力な手がかりになります。ただし、それだけで特定が困難なケースもあるため、他の情報との組み合わせが非常に重要です。
実際に、ひき逃げ事件の捜査で「4桁の数字と車種、色」で容疑車両が特定された事例もあります。警察のデータベースには全国の車両登録情報があるため、部分情報でも一定の絞り込みが可能です。
ナンバーの構成と捜査に活かされるポイント
車のナンバープレートには以下のような構成があります。
- 地域名(例:品川、名古屋)
- 分類番号(例:300、500など)
- ひらがな(例:あ、さ、れ など)
- 登録番号の数字4桁(例:12-34)
このうち、登録番号の4桁だけでも有効ですが、地域や分類番号、ひらがな1文字でもわかれば一気に絞り込みがしやすくなります。
実例で見る:部分情報で解決したケース
ある当て逃げ被害者は、「白いプリウス、品川ナンバーの12-34」という情報だけを伝えたところ、警察が数百台に絞り込み、近隣の防犯カメラ映像と照合して犯人が特定されました。
また別の事例では、ナンバーが「–77」のみという極めて曖昧な情報でも、車体の色や時間帯、現場の位置を基に犯人の特定に成功しています。
警察に伝えると有効なその他の情報
ナンバーの一部だけでなく、以下のような情報が合わせて伝えられると特定の精度が飛躍的に上がります。
- 車の色・形(例:白のセダン、黒の軽自動車)
- メーカーや車種(例:トヨタ・アクア、日産セレナ)
- 破損箇所やステッカーなどの特徴
- 走り去った方向・時間帯
- 同乗者の有無
- 音(異常なエンジン音やクラクションなど)
スマートフォンで撮影できる場合は、写真や動画も証拠として極めて有効です。
通報時の注意点と対応の流れ
被害に遭ったら、まずは安全を確保した上で110番通報を行い、以下の点を冷静に伝えるようにしましょう。
- 事故の発生場所
- 相手車両の特徴(ナンバー含む)
- 被害状況(けが人の有無など)
可能であれば、その場でのメモや録音、周囲の目撃者からの証言も集めておくとさらに効果的です。
まとめ:ナンバーの4桁だけでも手がかりになる
当て逃げ・ひき逃げの現場で完全なナンバーを控えるのは難しくても、4桁の数字だけでも通報の際には必ず伝えましょう。それだけでも警察は捜査の糸口として活用してくれます。
加えて、車の特徴や逃走方向などの情報を組み合わせて伝えることで、犯人特定の可能性が大きく高まります。万が一に備え、落ち着いて記録を残せるよう意識しておくことが大切です。