ATMを利用したあとに、すぐ隣の利用者が自分の使っていた端末に移動して何か操作している――そんな光景を目にすると、不安を感じる方も多いでしょう。特に現金や個人情報を扱う場面では、ちょっとした行動にも注意が必要です。本記事では、ATM利用後に注意すべきポイントと、不審行動の背景、対策方法を具体的に解説します。
通帳利用でも安心はできない?ATMの仕組みと注意点
ATMの操作は基本的に履歴が残らないように設計されています。特に通帳での取引は、カードに比べて認証手段が少なく、覗き見などの物理的なリスクが主になります。他人がすぐ後にATMを使っても、基本的にあなたの取引内容にアクセスすることはできません。
ただし、近年はスキミング機器や遠隔操作を試みる不正行為も存在しており、油断は禁物です。
不審な行動の背景にある手口とは
一見何気ない行動でも、犯罪の一環である可能性があります。例えば。
- スキミングデバイスの設置:カード挿入口に機器を仕掛けて、次の利用者の情報を盗む手口。
- 小型カメラによるのぞき見:暗証番号を盗み見するために、天井やフレームにカメラを設置するケース。
- ATMの遠隔操作実験:特定の操作を繰り返して不正な動作を引き起こすテスト。
今回のように「ATMを終えた直後に誰かが同じ端末に移動して何かしていた」場合、何らかの不正行為を試みている可能性は否定できません。
万が一悪用されたら?通帳での被害のリスク
通帳単体では、暗証番号などを入力する場面がほとんどありません。したがって、物理的な通帳が盗まれない限り、個人情報の漏洩や口座被害に繋がるリスクは限定的です。
ただし、以下のような状況では注意が必要です。
- 通帳に記載された口座番号を盗み見られた
- 残高や取引内容を覗き見された
- 通帳の盗難・紛失に気づいていない
不安を感じたら、取引履歴の確認と、金融機関への相談を早めに行うと安心です。
ATM利用時に実践したい5つの防犯対策
- 後方確認:ATMを操作する前後で、周囲に不審な人物がいないかを確認。
- ATMを触った直後に振り返る:すぐ後の人の行動を簡単に観察しておく。
- 暗証番号入力は手で隠す:特にカード取引時には必須。
- 利用履歴の定期チェック:万が一の不正引き出しに気付ける。
- 異変があったらすぐに金融機関へ報告:早期対応が被害を最小限に抑えます。
実例紹介:過去に発生したATM関連トラブル
2022年には関東地方の郵便局ATMで、小型カメラを設置し暗証番号を盗み見た事件が報道されました。このように、犯罪者はATMの操作習慣を巧みに悪用してきます。
また、ATMの近くで不審な人物が繰り返し同じ端末を操作していたことが通報され、実際にスキミング用具が発見されたケースもあります。
まとめ:不安な場合は「記録」「報告」「確認」が鉄則
ATMを使用した直後に誰かがその端末に移動して不審な動きをしていた場合、悪用されるリスクはゼロではありません。通帳のみの取引であれば比較的安心ですが、用心に越したことはありません。
万が一に備えて、取引履歴の確認、通帳の保管管理、金融機関への速やかな相談を忘れずに行うようにしましょう。