万引き・食い逃げは現行犯でないと警察は動かない?捜査が開始される条件と対応の実態

「万引きや食い逃げは現行犯でなければ警察は動かないのでは?」と疑問に思う人もいるかもしれません。確かに現行犯逮捕が多いイメージがありますが、実際には被害届や証拠があれば現行犯でなくても捜査は行われる可能性があります。本記事では、刑法の観点からその実態と、警察が動くかどうかの判断基準について解説します。

現行犯とは何か?

刑事訴訟法第213条では「現行犯人」は犯罪の最中または直後の者と定義されています。現行犯は一般人(店員や通行人)でも逮捕が可能で、警察官の許可は不要です。

このため、店内で万引きした瞬間を見て取り押さえる、あるいは食い逃げして出て行った直後に追いかけて取り押さえるといった対応がよく行われています。

現行犯でなくても警察が動くケースとは?

実際には、現行犯でなくとも以下のような条件が揃えば警察が捜査を行います。

  • 店側が被害届を提出している
  • 防犯カメラなどの映像証拠がある
  • 犯人の顔・名前・車両情報など身元特定の材料がある

たとえば「後からレジを通さず商品を持ち去ったことがわかった」「代金を支払わず逃げた客が顔認識カメラに映っていた」といったケースでは、刑法上の窃盗罪や詐欺罪として扱われ、捜査が開始される可能性が十分あります。

警察が動きにくいケースとその理由

一方で、以下のような状況では警察がすぐに動くとは限りません。

  • 防犯カメラがなく犯人の特定が困難
  • 盗まれた商品の金額が少額かつ被害届が出ていない
  • 飲食代未払いが「勘違い」や「事情説明可能」な場合

警察の判断には「社会的影響・証拠の有無・犯人の特定可能性」などが関係しています。

実例:現行犯でなくとも検挙されたケース

・あるコンビニでは、複数回万引きしていた客がカメラ映像で特定され、後日書類送検された事例あり。
・ファミリーレストランで複数人が食い逃げを繰り返し、店舗からの通報により身元特定され、警察が逮捕。

これらのように、「現行犯でない=無罪放免」ではなく、証拠と被害申告があれば処罰対象になるのが現実です。

店舗や被害者が取るべき対応

被害に遭った店舗側は以下のような行動が有効です。

  • 被害の日時、内容、金額、状況を記録
  • 防犯カメラ映像を確保し、バックアップ
  • 顔や衣服の特徴、会話内容などもメモ
  • すぐに被害届を提出(迷わず警察へ連絡)

これらの証拠があれば、現行犯でなくても警察が捜査に動く根拠になります。

まとめ:現行犯でなくても罪は問われる可能性あり

・万引きや食い逃げは現行犯でなくても証拠があれば警察が動く
・被害届の提出と証拠(映像・目撃情報)が重要。
・逆に、証拠が乏しく被害が軽微な場合は警察対応が難航することも。
・悪質なケースや常習性がある場合、後日逮捕や書類送検の対象になることもある。

「現行犯じゃないからセーフ」と思って行動すれば、思わぬ代償を負うこともあります。軽い気持ちが大きな罪につながらないよう、法的な理解とモラルを持った行動を心がけましょう。

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