通勤や旅行中に使っていたモバイルバッテリーやリチウム電池内蔵製品をうっかり電車の中に置き忘れてしまった…。このようなケースで「犯罪になるのでは?」と不安になる人も少なくありません。本記事では、そうした忘れ物が法的にどのように扱われるのか、そして安全上の懸念や対応方法について詳しく解説します。
うっかり忘れ物は基本的に「犯罪」ではない
まず結論から言えば、モバイルバッテリーやその他の荷物を電車内に忘れてしまっただけでは犯罪にはなりません。これは「過失による遺失物」として扱われるためです。
ただし、意図的に置き去りにしたとみなされる場合や、爆発物と誤認されるような状況では別途対応が必要になります。
鉄道会社が特に気にするのは「安全性」
リチウム電池を使用した機器は、過熱や発火のリスクがあるため、鉄道会社では安全管理上の重点監視対象となっています。
実際に、無人の状態で長時間放置されたモバイルバッテリーが「不審物」として処理される事例もあります。その結果、運行停止や警察の出動を招いた場合、損害賠償請求の対象となる可能性もゼロではありません。
「過失による忘れ物」と「故意に放置された物」の違い
忘れ物が犯罪として扱われるかどうかは、持ち主の意図と行動に大きく左右されます。
例として、駅のホームや車内にリチウム電池を故意に放置し、「爆発物かもしれない」と混乱を招くような行動があった場合には、威力業務妨害や軽犯罪法違反として立件される可能性があります。
見つかった場合の対処方法と手続き
もしモバイルバッテリーを電車に忘れた場合は、以下の手順で対応しましょう。
- ➤ 鉄道会社の忘れ物センターに連絡する(発車時刻・車両番号など伝える)
- ➤ 警察署に届け出がある場合もあるため、念のため確認する
- ➤ 忘れ物として保管された場合、数日以内に本人確認のうえで返還可能
安全性を確認するため、中には持ち主が明確にならない限り返還しない方針の鉄道会社もあります。
実例紹介:実際に起こった忘れ物トラブル
ある事例では、モバイルバッテリーが座席下に放置され、不審物として通報されました。結果として電車が運休し、乗客に影響を与えたため、持ち主に事情聴取が行われたというケースがあります。
このようなケースでは、事情説明により過失と認められれば刑事責任は問われませんが、社会的な迷惑として注意喚起がされることがあります。
モバイルバッテリーの取り扱いで気をつけたいこと
- ➤ 常に携帯品は座席や荷物棚に残さず確認する
- ➤ 外装が破損したリチウム電池は持ち運ばない
- ➤ 空港・鉄道など公共交通機関では電源を切っておく
特に機内や新幹線では、バッテリー容量制限や取り扱いルールが設けられています。
まとめ:忘れ物はすぐに行動すれば問題なし
モバイルバッテリーをうっかり電車に忘れても、それ自体で犯罪に問われることは基本的にありません。ただし、放置状況や誤解を招く場所に置いた場合には、別の法的問題が発生する可能性もあります。
忘れたことに気づいたらすぐに鉄道会社や警察に連絡を取り、状況説明と引き取りを行うことで、トラブルを最小限に抑えることができます。