イラスト詐欺で被害届を出した後どうなる?警察の捜査の流れと加害者の特定にかかる期間とは

インターネット上でのイラスト依頼詐欺は近年増加傾向にあり、「ラフ提出→支払い→納品なし→音信不通」といった典型的な流れに巻き込まれる被害が後を絶ちません。PayPayや銀行振込などを通じた少額詐欺でも、被害届が受理されれば正式な捜査対象となります。本記事では、被害届を出した後に実際にどんな流れになるのか、加害者の特定にかかる期間、捜査が進まない理由などを詳しく解説します。

警察が被害届を受理した後の基本的な流れ

被害届が正式に受理されると、事件は「捜査事件」として扱われます。捜査の基本的な流れは以下の通りです。

  • 提出された資料の確認(取引記録・やり取りのログなど)
  • 加害者のアカウントや決済情報の照会(PayPay・SNS・メール等)
  • 捜査資料の収集(IPアドレス・送金先口座の名義人など)
  • 捜査本部の判断により事情聴取・逮捕・不起訴など

なお、詐欺被害が少額(1万円〜数万円)であっても、悪質性・被害者数・計画性が高いと判断されれば本格的な捜査対象となります。

加害者の身元が分かるまでにかかる期間

結論から言えば、被害届の受理=すぐに加害者が特定されるわけではありません。特定には以下の要因が絡み、数週間〜数か月以上かかることもあります。

  • 支払いに使用されたPayPayの登録情報・携帯番号・IPアドレスの照会
  • 送金先口座やプリペイドカードの名義人確認
  • SNSの運営会社への開示請求(Twitter、Instagram、Xなど)

これらの照会には一定の手続きと時間が必要で、早くても1か月〜3か月ほどかかるケースが一般的です。加害者が匿名アカウントや第三者名義を使用していた場合には、さらに時間がかかるか、特定が困難になることもあります。

捜査が進まない・止まることはある?

「被害届が受理されたのに音沙汰がない」「放置されているように感じる」という声もありますが、それにはいくつかの理由があります。

  • 証拠が不十分(やり取りの記録が消えているなど)
  • 加害者の身元が匿名・偽名などで特定できない
  • 他に優先度の高い事件がある(刑事事件は人員に限りがあるため)

ただし、受理された時点で捜査義務が発生しているため、完全に放置されることは稀です。進展が見られない場合は、定期的に担当警察署に進捗を確認するのが効果的です。

民事対応(少額訴訟など)と並行するのも一手

刑事事件としての解決が長引きそうな場合には、民事的な損害賠償請求少額訴訟などの手続きを同時に検討することも有効です。

特にPayPayや銀行振込などで送金している場合は、支払証明とやり取りの記録を元に民事請求が可能です。相手の身元が判明すれば、内容証明郵便を送る、簡易裁判所に少額訴訟を申し立てるといった対応が取れます。

今後の備えと自己防衛のために

今回のような被害を防ぐためには、以下の点を今後の対策として活用しましょう。

  • 必ず契約書や支払い条件を明文化する
  • 信頼性のあるプラットフォーム(Skeb・ココナラなど)を利用
  • 支払いはクレジットカードや後払いが可能な決済手段を選択

また、万が一に備えてやり取りの記録(SNS・DM・メール)や支払い履歴のスクリーンショットは常に保管しておくことが重要です。

まとめ|被害届の受理は第一歩。捜査は粘り強く待ちつつ、自衛策も講じよう

イラスト依頼詐欺で警察に被害届を出した場合、正式に受理されたことで捜査対象にはなりますが、加害者特定には時間がかかるのが現実です。

進捗が遅い場合でも、諦めずに警察署への定期確認を行い、必要に応じて民事対応も視野に入れましょう。被害を繰り返さないためにも、今後の取引では契約と記録の管理を徹底することが大切です。

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