交通事故の示談や訴訟において弁護士に依頼するのは一般的になっていますが、すべての弁護士が依頼者の満足いく対応をしてくれるとは限りません。中には「連絡が遅い」「報告が少ない」「質問しないと動かない」といった対応に不安や不満を感じてしまうケースもあります。この記事では、弁護士を変更する判断基準や方法、注意点について解説します。
交通事故の弁護士に不満を感じやすいポイント
まず、弁護士に対して依頼者が不満を感じやすいのは次のようなケースです。
- 進捗状況の報告がなく、依頼者から連絡しないと情報が来ない
- メールや電話への返信が遅く、放置されていると感じる
- 相手方保険会社への対応に時間がかかっている
- 説明が曖昧で専門用語が多く、何をしているか分からない
こうした状況が継続すると、信頼関係が築けずストレスを感じやすくなります。
弁護士の変更は可能?費用特約利用でもOK
結論から言うと、交通事故の弁護士は途中で変更できます。たとえ弁護士費用特約を利用していても、その適用範囲内であれば自由に他の弁護士に乗り換えることが可能です。
ただし、変更のタイミングや進捗状況によっては、特約の上限額を超える可能性もあるため、新たに依頼する前に「弁護士費用特約の残額」「解約に伴う精算」などの確認をしておきましょう。
弁護士変更時の一般的な流れ
弁護士を変更する際は、以下のようなステップが一般的です。
- 新しい弁護士候補に相談し、引き継ぎ可能か確認
- 現在の弁護士に契約終了の意思を伝える
- 委任契約を解除(書面などで通知)
- 旧弁護士から事件記録などを新しい弁護士に引き継ぎ
- 新しい弁護士と委任契約を結ぶ
弁護士によっては強く引き止めてくることもありますが、契約上は問題なく終了できます。感情的にならず、あくまで冷静に「別の方に依頼することにした」と伝えるのがポイントです。
実例:報告が遅い弁護士からの変更で納得の解決に
ある方は、保険会社への照会を依頼しても2週間以上連絡が来ず、不信感を覚えました。やむなくセカンドオピニオンを求めた別の弁護士は、初回の面談で丁寧に今後の流れや予測される賠償額を説明。結果として2か月で示談成立、慰謝料も希望額に近い形で解決したそうです。
このように「もっと早く変えておけばよかった」という事例も多く見られます。
弁護士を変える際の注意点
変更は可能とはいえ、以下のような点には注意が必要です。
- 訴訟手続き中はタイミングにより不利になる可能性もある
- 引き継ぎがうまくいかないと、処理が遅れることもある
- 特約の上限額超過時には追加自己負担が発生する
新しい弁護士と契約する前に、状況を整理し、今の問題点を明確にして相談するのが得策です。
まとめ:不安や不信感を放置せず、納得のいくサポートを
交通事故は精神的にも肉体的にも負担の大きい出来事です。そのうえで、弁護士対応に不安やストレスを感じているなら、弁護士を変えることは立派な自己防衛手段です。
連絡の遅さや報告不足で不安を抱えるのは当然であり、弁護士に対して遠慮する必要はありません。自身の権利と安心のためにも、「納得のいく弁護士」を選び直すことを検討してみましょう。