図書カードは書籍購入に使える便利なプリペイド型商品券ですが、その仕組みを悪用した不正行為が一部で問題視されています。特に、残高を使い切らずに現金化を試みるような行動は、店舗側の誤処理を狙った詐欺行為とみなされる可能性があります。今回は、図書カードでの支払い時に起きるトラブルと現金返金の有無、不正のリスクについて詳しく解説します。
図書カードの基本的な仕組みとは?
図書カードNEXTはプリペイド式で、残高はICチップまたはバーコードで管理されており、利用履歴の確認や残高照会も可能です。支払い時に金額がカード残高を超えた場合、通常は不足分を現金などで支払う「併用払い」が求められます。
しかし、商品を確定せずにカード処理を先に行うことは、店舗側の手順違反であり、本来あってはならないものです。レジ操作によっては誤って決済が完了してしまい、返金対応が必要となる場合もあります。
現金返金は本来できない仕組み
図書カードNEXTでは原則として現金への払い戻しはできません。これは発行元である日本図書普及株式会社の規約にも明記されており、換金性を防ぐことで贈答や子ども向け利用を安心してできるよう配慮されているのです。
ただし例外的に、店舗側がミスでカードを処理してしまい、取引が成立していないと判断される場合に限って、返金処理を現金で行うこともあります。これは「返品対応」ではなく「過誤対応」としての処理です。
「現金錬成」とは?:不正とみなされるケース
質問にあるような「残高不足の商品を持ってレジへ行き、途中でキャンセルし、返金させて現金を得る」という行為が事実であれば、それは詐欺または詐欺未遂にあたる可能性があります。店舗のレジ処理や従業員の混乱を狙って現金を得る行為は明確に不正利用です。
実際にこうした手口は「ポイント詐欺」や「ギフトカード不正使用」と類似し、複数の店舗を回って繰り返すと、悪質な常習行為として警察の捜査対象になることもあります。
書店やアニメイトでの対応は?
大手書店チェーンやアニメイトなどでは、図書カード決済時に必ず金額確認と本人確認を徹底するよう指導されています。通常、支払時に現金との併用が求められ、決済完了後の返金は不可というポリシーが設定されています。
しかし、レジ係の新人対応などで操作ミスが生じることもあり、不正な手口を見抜けずに返金に応じてしまうケースがごく稀にあります。そのため、全体としては起こりにくいがゼロとは言えないのが実情です。
保護者としてできること
このような問題に直面した場合、まずは事実確認を冷静に行いましょう。本人が虚偽を述べている可能性もあるため、店舗側の防犯カメラやレシート履歴などを通じて確認することが重要です。
仮に意図的な現金化をしていた場合、それが重大な信用問題や法的責任に発展する可能性があることを本人にきちんと説明し、必要であれば警察や教育機関と連携して対応しましょう。
まとめ:図書カードの正しい使い方と不正防止
図書カードは非現金性を保つことで安全に利用できる仕組みですが、それを逆手に取った不正な手段が報告されることもあります。店舗ミスを悪用して現金化する行為は明確な不正であり、詐欺罪に該当するおそれがあります。
子どもや若者がそのような行為に及ばないよう、正しい金銭感覚や法的責任について家庭でもしっかり伝えていくことが大切です。