調停手続きで相手と顔を合わせる?知っておきたい家庭裁判所での進め方

家庭裁判所での調停は、離婚や金銭トラブル、親権問題などの解決に用いられる手続きですが、「相手と顔を合わせなければならないのか」という不安を抱く方も少なくありません。特に感情的に対立している相手との対面は精神的な負担となるため、事前に仕組みを理解しておくことが大切です。

調停は必ずしも対面ではない

調停は、家庭裁判所の調停委員会(裁判官1人+調停委員2人)が仲介する非公開の話し合いの場です。原則として、当事者同士が同じ部屋で話し合うのではなく、別々の控室に通され、交互に調停委員が話を聞く「別席調停」が行われます

調停委員が一方の当事者の話を聞いたあと、もう一方の控室に移動し内容を伝える…という形式のため、直接顔を合わせることなく手続きを進めることが可能です。

例外的に同席となるケース

裁判所によっては、調停委員の判断で当事者同士が同席するよう促される場合もあります。これは、お互いに冷静な対話ができると判断されたケースや、早期解決が見込まれる場合に行われることがあります。

ただし、当事者の一方が強く同席を拒否している場合や、DV・ストーカーなどの事情がある場合は、同席を強制されることはほとんどありません。

同席を避けたい場合の申し出方法

調停申立書に「相手と顔を合わせたくない旨」を記載することができます。申立ての際にこの点を記載すれば、裁判所も配慮してくれます。また、「別席調停を希望します」という一文を添えておくことで、より明確に意思表示が可能です。

申立後でも、裁判所に連絡をすれば柔軟に対応してもらえることが多く、安心して利用できる制度です。

DV・虐待など重大な事情がある場合

DVや家庭内暴力の加害者との対面を回避したい場合には、特別な配慮がなされます。たとえば、調停の場ではなく電話やWeb会議による参加、あるいは被害者支援団体による同行なども利用可能な場合があります。

このようなケースでは、裁判所も最大限の安全配慮を行いますので、申立時や事前の相談で事情を詳細に伝えることが重要です。

調停での心構えと準備

調停では、感情的にならずに事実に基づいた冷静な話し合いが求められます。あらかじめ主張したい点や希望条件をメモにまとめておくことで、調停委員とのやり取りもスムーズになります。

また、弁護士を代理人として立てることも可能です。代理人が調停に出席する場合、ご自身が出向かなくても済むこともあります。

まとめ:安心して調停に臨むために

家庭裁判所での調停では、原則として相手と直接顔を合わせることはありません。必要があれば事前に別席対応や配慮を申し出ることができ、裁判所側も個々の事情に応じた柔軟な対応をしてくれます。

相手との対面に不安を感じている方でも、事前準備と裁判所への相談によって安心して臨むことが可能です。無理のない範囲でご自身に合った方法を選び、調停を前向きな解決の機会として活用していきましょう。

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