アパートなどの共用駐車場では、ドアパンチなどの接触事故が起きても加害者が認めない限り、被害者側が損害を補償してもらえないケースがあります。今回は、明確な塗料の付着や位置の一致があるにも関わらず、相手の否認によって補償が進まないといったトラブルへの対応策を解説します。
■ドアパンチとは?よくあるトラブルと発生原因
ドアパンチとは、車のドアを開けた際に隣の車にぶつけてしまう行為を指します。特に狭い駐車場では、荷物の出し入れや乗り降りの際に発生しやすく、傷や塗料の付着を伴うことが多いです。
今回のように、白い車に緑の塗料がつき、緑の車には白の跡がある場合、状況証拠としては非常に強力ですが、加害者が否認することで問題が複雑化します。
■警察が事故証明を出すための条件とは
交通事故としての扱いを受けるには、基本的に「当事者の合意」や「明確な物証」が必要です。警察は現場確認を行いますが、加害者が認めない場合、事故証明が出されないこともあるとされています。
ただし、傷の位置や塗料の検出、管理会社の証言などを組み合わせれば、証拠として扱われる可能性も高まります。
■加害者が否認した場合の対応手順
- 傷の写真を複数角度から撮影
- 塗料分析や一致箇所の記録を残す
- 警察立ち会いの再検証時に詳細な記録を提出
- 管理会社にも文書で経緯を報告・保管依頼
- 可能であれば、防犯カメラ映像の提供を求める
それでも加害者が否認を続けた場合、民事訴訟や少額訴訟を視野に入れる必要があります。
■被害届は受理されるのか?
故意による器物損壊であると明確に判断された場合、被害届は受理される可能性があります。しかし、ドアパンチは過失であることが多く、刑事事件としての立件はハードルが高いのが実情です。
被害届の提出は、警察への意思表示としては有効ですが、損害賠償請求には民事での対応が主となります。
■損害を補償してもらうには?
相手の任意保険から補償を受けるには、加害者側が事故を認め、保険を使うことに同意する必要があります。これが拒否された場合、被害者自身が自費で修理し、その後に損害賠償請求を行う流れになります。
この際、少額訴訟制度の活用が有効です。費用も少なく、迅速に解決できる可能性があります。
■まとめ:泣き寝入りしないためにできること
ドアパンチのような軽微な事故でも、証拠の記録と冷静な対応が重要です。加害者が否認する場合は、警察や管理会社、第三者の証言をもとに証拠を積み上げましょう。
最終的には民事訴訟も選択肢となりますが、その前に話し合いや専門家の助言を得ることも重要です。感情的にならず、証拠と手順をもとに、しっかりと権利を主張していきましょう。