ATMで現金を引き出した後、うっかりそのまま取り忘れてしまった――そんな経験は誰にでも起こり得ます。特に次に使った人がそのまま現金を持ち去ってしまった場合、「取り戻すことは不可能なのか?」「警察に届けた意味はあるのか?」と不安になる方も多いでしょう。この記事では、ATMの現金取り忘れに関する具体的な対処法や、法的な観点からのアドバイスを詳しく解説します。
ATMで現金を取り忘れたらまず何をすべきか
現金の取り忘れに気付いたら、すぐに以下の行動をとりましょう。
- ATMの管理会社(この場合はセブン銀行)に連絡する
- 利用した店舗(セブンイレブン等)に忘れ物として届け出がないか確認
- 警察に遺失物届けや被害届を提出
迅速な行動がカギになります。現金が機械に回収されていれば、一定期間後に口座へ返金されるケースもありますが、他人が持ち去ってしまった場合は別の対応が必要です。
監視カメラが証拠になり得るか
今回のように、セブン銀行側が監視カメラの映像を確認し、忘れたお金を誰かが持ち去った事実が確認された場合、それは遺失物横領罪にあたる可能性があります(刑法254条)。
ただし、銀行側から被害者に個人情報を伝えることはできないため、映像があったとしても警察への被害届が必要となります。
警察に届け出た後の流れ
警察に届け出をした場合、次のような対応が期待されます。
- 監視カメラ映像の確認をもとに捜査
- 該当人物が特定された場合、任意の事情聴取
- 本人が返還に応じれば、現金が返ってくる可能性あり
ただし、相手が現金を使ってしまったり、否認した場合は民事や刑事での手続きが必要になることもあり、現実的に回収は難しいケースもあります。
「泣き寝入り」にならないためにできること
可能性は低いながらも、警察へ届け出ておくことは重要です。これにより少なくとも「犯罪があった」という事実が記録されますし、遺失物横領罪で処罰される可能性があることを知った相手が自主的に返還するという展開もあります。
また、再発防止のために以下の対策もおすすめです。
- ATM利用後はレシートを確認し、現金とカードの両方を忘れずに取る
- ATM利用時の音声や画面表示に注意を払う
- 出金後はポケットや財布にすぐ入れる癖をつける
ATMでのトラブルを防ぐための心がけ
ATMでの現金取り忘れは、焦っていたり、考えごとをしていたときに起こりやすいものです。特に日常的に忙しい方は、無意識のうちにカードだけを持ってその場を離れてしまうケースも。
現金とカードの両方を確認するルーティンを身につけておくことが、同じ失敗を繰り返さないコツになります。
まとめ:泣き寝入りせずにできることを一つずつ
ATMで現金を取り忘れた場合でも、必ずしも泣き寝入りする必要はありません。早急に関係機関に連絡し、警察へ届け出を行うことが、現金回収の第一歩になります。全額戻る保証はありませんが、何もせずに諦めてしまうより、できることを一つずつ行動していくことが、結果的に後悔しない選択になるでしょう。