離婚を検討して弁護士に相談すると、初期の段階で「あなたの資産状況」を詳しく尋ねられることがあります。これに戸惑いを感じる方も少なくありません。「資産が多ければ弁護士費用も高くなるのでは?」と不安に思った経験がある方もいるでしょう。本記事では、離婚相談時に資産状況を聞かれる理由や、実際の弁護士費用との関係について、わかりやすく解説します。
離婚相談で資産を聞かれる主な理由
弁護士が資産状況を尋ねる目的のひとつは、財産分与や慰謝料などの見通しを正確に立てるためです。
たとえば、共有財産に不動産や預貯金、株式などがある場合、それらをどう分けるかで交渉の難易度も変わるため、事前に把握しておく必要があります。
弁護士費用は資産額で決まる?
結論から言うと、弁護士費用が相談者の資産額で変動することは基本的にありません。日本の弁護士費用は主に「相談料」「着手金」「成功報酬」で構成され、あらかじめ定められた基準に従って請求されます。
ただし、訴訟の対象となる金額(請求額)によって報酬が変動する「経済的利益に応じた成功報酬」が適用される場合はあります。これは相談者の資産ではなく、あくまで訴訟の内容に応じた額です。
よくある誤解と実際の運用
「資産が多い=高い報酬を取られる」と心配される方もいますが、実際には弁護士会が定める報酬基準や、事前の契約書によって明示されます。
また、資産を細かく聞かれることに抵抗がある場合は、「なぜこの情報が必要か」を遠慮なく確認することも大切です。
事例:資産の確認が交渉に影響したケース
ある女性は、結婚生活10年の間に購入したマンションや共有の預金がありました。相談時にこれらの資産を正確に伝えたことで、弁護士は有利な財産分与の交渉戦略を立てられたとのことです。
一方、資産の一部を伏せた結果、相手側からの反論で交渉が難航したケースも報告されています。
費用感と支払い方法の例
項目 | 目安金額 | 備考 |
---|---|---|
初回相談料 | 5,000円~10,000円 | 無料の事務所もあり |
着手金 | 20万円~40万円 | 事案の複雑度に応じて |
成功報酬 | 得られた財産の10%程度 | 相手からの慰謝料・財産分与等に基づく |
資産を正直に伝えることの重要性
離婚に関する交渉や訴訟では、情報の正確性が大きな鍵になります。弁護士は味方であり、守秘義務があるため、資産内容を安心して開示して大丈夫です。
「聞かれたことが不快だった」と感じた場合でも、それを率直に伝えることで信頼関係を築くことができ、より良い対応を得られるケースも多くあります。
まとめ
- 離婚相談時に資産を聞かれるのは、適切なアドバイスや方針決定のため
- 資産が多いこと自体が弁護士費用に直結するわけではない
- 費用体系は契約前に明確化されており、必要以上の請求はされない
- 資産情報は戦略に必要不可欠であり、正直な情報提供が重要
離婚を前提にした法律相談では、信頼できる弁護士と適切な情報共有を行うことで、後悔のない選択がしやすくなります。納得できるサポートを得るためにも、事前準備と誤解の解消が大切です。