過去に交際していた相手の子どもの奨学金の保証人になってしまい、現在は連絡も取れず、返済トラブルに巻き込まれているというケースは珍しくありません。本記事では、保証人を辞めたい場合の現実的な対応策や、所在不明の本人を調べる方法について解説します。
奨学金保証人の仕組みと法的責任
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度では、一般的に「本人」「連帯保証人」「保証人」の3者で契約します。連帯保証人は通常、親や親族であり、保証人は第三者となるケースが多いです。
保証人も契約上の当事者であり、本人が延滞すれば、最終的には債務履行義務を負うことになります。つまり、「連絡がつかない」だけでは責任を免れることはできません。
保証人を辞めることはできるのか?
結論から言えば、一度締結された保証契約を「一方的に」解除することは原則できません。JASSOでも、契約時に保証人を安易に辞められないよう制度が設計されています。
ただし、以下のような例外や対処策があります。
- 本人または連帯保証人が新たな保証人を立てて差し替える
- JASSOに対して事情を説明し、「機関保証制度への変更」を申し出る(認められるかは本人側の対応次第)
- 法的に無効を主張する余地がある(本人の同意なく勝手に署名された場合など)
どうしても困る場合は、法テラスなどで弁護士に相談するのも現実的です。
音信不通の本人を調べる方法
費用をかけずに調べる方法には限界がありますが、以下の方法は検討可能です。
- 住民票の附票の追跡(正当な債権者としての請求が必要)
- SNS・ネット検索(FacebookやXなどの名前検索)
- かつての勤務先・学校を手がかりに問い合わせ
ただし、調査が目的で個人情報を取得するには法的な制限もあり、違法な手段に頼るのは避けるべきです。
保証人トラブルでよくある誤解
「本人じゃないから責任はない」「住所を知らないから逃げられる」と考える方もいますが、保証人は法律上、債務者とほぼ同等の義務を負います。
特にJASSOの場合は、保証人に対して直接請求が来ることもあり、放置していると信用情報に傷がついたり、法的措置に発展することもあります。
今すぐできる対応策
・届いている通知や請求書の内容を正確に把握する
・奨学金機構(JASSO)に対し、書面で「事情説明」と「保証人変更の相談」を行う
・保証契約書の控えを確認し、署名日や本人の承諾状況をチェック
・弁護士に相談し、差し押さえ回避や債務整理も含めた今後の方針を整理
まとめ
奨学金の保証人から抜けるのは容易ではありませんが、放置するとさらに大きなトラブルになります。まずは奨学金機構への問い合わせと、法的な支援窓口(法テラス等)を活用することが現実的な第一歩です。可能であれば、相手側に保証人の差し替えを求めるなど、できる限りの手段を講じましょう。