駐車中に同乗者が不注意で車のドアを開け、ポールや壁にぶつけて傷がついてしまう「ドアパンチ」は、意外と多いトラブルのひとつです。特に、謝罪もないまま何事もなかったように乗車された場合、後々の人間関係や責任の所在について悩むことになるかもしれません。この記事では、同乗者によるドアパンチの責任と修理費の請求方法、管理者への対応などについて詳しく解説します。
同乗者のドアパンチは請求できるのか？
法律上、他人の物に損害を与えた場合は「不法行為責任」が問われます。つまり、同乗者がドアを開けた際に周囲の状況を確認せずに障害物にぶつけたならば、民事上の損害賠償責任が生じる可能性があります。
実際に修理が必要な傷が発生しており、それが同乗者の不注意により発生したものであると認められれば、修理費の請求は可能です。ただし、明確な証拠（録画、現場の写真、同乗者の発言など）があると、請求時のトラブル回避に有効です。
警察への届出は必要？
ドアパンチが物損事故として扱われるかどうかは微妙なラインです。基本的には他人の財物（今回のケースでは自分の車）に損害を与えた場合でも、人身事故ではない限り警察への届出義務はありません。
ただし、相手が請求に応じない、あるいはトラブルが拡大しそうな場合は、念のため警察に相談し「物損事故として記録を残す」ことも選択肢に入ります。
ポールの管理者への謝罪は必要？
もしドアをぶつけた対象が駐車場のポールであっても、ポール側に損傷がなければ謝罪や報告の義務は基本的にありません。ただし、明らかに相手所有物にキズや破損が発生している場合は、マナーとして管理者に一報を入れるのが望ましいです。
実際に筆者が経験した例では、ショッピングモールの鉄柱にドアをぶつけてしまい、塗装が一部剥げていたため、管理事務所に申告して対応を相談したことがあります。このようなケースは保険が適用される場合もあります。
修理費を請求するにはどうすれば良い？
まずは相手に対して冷静に状況を説明し、費用負担を求める意思を伝えましょう。その際には、修理の見積書や損傷の写真を準備すると説得力が増します。
口頭でのやり取りに不安がある場合は、メールやLINEなど文章での記録を残すことをおすすめします。明らかに相手の不注意であることが示せれば、保険会社を通じて損害賠償を請求することも可能です。
私用車の場合、誰が動くべきか？
車の所有者が個人である私用車の場合、基本的には当事者（所有者）本人が行動の主体となります。ただし、同乗者が責任を認めている場合は、修理工場への同行や見積もりの確認、費用の支払いをスムーズに進めてもらえるケースもあります。
職場の上司が間に入っている場合でも、最終的には当事者間の合意が必要です。トラブルを回避するためには、感情的にならずに事実と証拠に基づいた対話を心がけましょう。
まとめ：同乗者の不注意による損傷は法的にも請求可能
同乗者が車のドアを不注意に開けて傷をつけた場合、法的には損害賠償を求めることができます。警察への届出は義務ではありませんが、トラブルがこじれる前に証拠を押さえた上で冷静に請求することが重要です。
また、相手が誠意を見せない場合でも、請求の権利を放棄せず、適切に行動すれば解決の糸口は見えてきます。