同意のない性的撮影と示談交渉の実態|撮影罪・プライバシー侵害の法的リスクとは

恋人関係や親しい間柄であっても、同意なく性的な場面を撮影したり保存・送信した場合には、重大な法的問題につながる可能性があります。最近ではスマートフォンの普及により、その場の出来心で撮影してしまったことで、思わぬ慰謝料請求や刑事事件に発展する事例も増えています。この記事では、性的な撮影行為における法的リスクと、示談交渉を行う際の注意点について解説します。

同意のない撮影は「撮影罪」に該当する可能性がある

性行為中やその前後を内緒で撮影する行為は、刑法における「撮影罪(都道府県迷惑防止条例違反)」または「プライバシー権侵害」に該当する可能性があります。被害者の許可がなければ、例え合意のもとで行為が行われた場合でも、撮影は法的にNGです。

また、相手に撮影の事実を告げた上で動画を送信した場合であっても、その事実自体が証拠として残るため、後から相手が問題視すればトラブルに発展することがあります。

慰謝料の相場と示談金額は?

性的な撮影の被害に関しては、慰謝料として数十万円~100万円前後を請求されるケースが多く見られます。特に撮影の同意がなく、かつ動画が送信された・流出リスクがあるなどの事情が重なると、金額が高くなる傾向があります。

たとえば、弁護士を介さずに「60万円で示談にしたい」と相手から言われた場合、それが妥当な金額かどうかは状況によります。示談で済ませられるのであれば早期解決になりますが、相手の要求が不当に高い場合や脅しに近い場合は注意が必要です。

示談交渉は弁護士を通すべきか?

性的トラブルに関する示談交渉では、弁護士を通すことが極めて重要です。法律的に守られるべき手続きや、文言の取り決めを怠ると、後から再請求されたり、刑事告訴に発展するおそれもあります。

実際、本人同士で示談を済ませたつもりでも、「示談書がない」「金額の合意内容に不備がある」などを理由に再トラブルになる事例もあります。弁護士が関与すれば、相手との交渉も冷静に行われ、法的リスクを抑えることができます

録画や送信がバレた場合の刑事リスク

撮影が相手の承諾なく行われていた場合、相手が警察に被害届を出すと、盗撮・リベンジポルノ防止法・迷惑防止条例違反などで捜査対象となる可能性があります。

仮に撮影済みの動画が第三者に拡散していなくても、「撮影した」という事実だけで立件されることがあり、刑事罰(罰金刑や拘留)の対象になる可能性もゼロではありません。

示談に応じるかどうかの判断基準

相手が示談を求めてきた場合には、誠実に謝罪の意思を示し、できるだけ弁護士を交えて手続きを進めるのがベストです。

60万円という金額が法外でないか、録音やLINEのやりとりなど証拠が残っていないか、相手の要求に違法性や脅迫性がないかなどを総合的に検討しましょう。相手の感情を逆なでしないことも、早期解決のポイントです。

まとめ:性的な撮影は「軽い気持ち」で済まされない重大な問題

同意のない性的な撮影や送信は、プライバシー侵害や名誉毀損など、重大な法的リスクを伴う行為です。示談を求められた場合には、自分一人で判断せずに弁護士に相談することが最も安全です。

謝罪や対応の仕方を誤ると、刑事事件として立件されるおそれもあるため、誠意を持った対応と法的な手続きを冷静に進めていくことが重要です。

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