センターラインを越えてきた対向車との事故で相手が主張を変えた場合の対処法とは?

交通事故の当事者となり、相手が後になって証言を変えるという事態に直面すると、非常に困惑し、怒りすら感じるものです。特に「センターラインオーバー」のような過失が明確なはずの事故で、相手の言い分が二転三転する場合には、冷静に対処しつつ、証拠と法的な対応を重視することが重要です。

センターラインを越えた事故の基本的な過失割合

通常、対向車がセンターラインを越えてきた場合、過失割合は相手側がほぼ100%とされるのが一般的です。センターラインのある道路は、それを越えること自体が交通違反であり、避けようのない事故でなければ被害者に過失が問われることはほとんどありません。

しかし、双方にドラレコなど明確な証拠がない場合、事故後の供述が重要な要素となり、争いが複雑化する傾向があります。

警察での証言と保険会社への主張の食い違い

今回のケースでは、加害者が警察には「センターラインを越えた」と証言していたにも関わらず、保険会社には「越えていない」と主張を変えています。これはよくあるパターンで、保険金負担を減らす目的で後から主張を覆すことが原因と考えられます。

ただし、警察の調書が取られていれば、その内容は裁判などで有効な証拠となります。調書を取得することが大変重要です。

証言が変わった場合の対応ステップ

  • ① 警察の実況見分調書を入手
    事故時の現場検証で相手が認めた内容が記録されていれば、有力な証拠となります。
  • ② 保険会社に強く異議を申し立てる
    加害者側の供述変更に疑義があることを主張し、調書の内容を提示します。
  • ③ 弁護士に相談する
    特に高額な修理費や示談交渉が難航している場合は、交通事故に強い弁護士のサポートを受けましょう。

ドラレコがない場合でも戦える証拠とは

ドラレコがなくても、以下のような証拠を収集・整理しておくことで有利になります。

  • 事故直後の現場写真(車の位置、ブレーキ痕、損傷部位)
  • 通行人や目撃者の証言
  • 通報記録や通話内容のメモ
  • 保険会社とのやり取りの記録

また、事故の再現図を自分で作成し、どのような状況だったかを客観的に説明できる資料を持っておくと強力です。

未成年者が加害者の場合の責任の所在

加害者が10代の未成年である場合、その責任は原則として親権者(多くは親)にあります。民法第709条や714条に基づき、保護者が損害賠償責任を負う可能性があります。

そのため、加害者の親が入れ知恵をして主張を変えさせたような場合でも、事故当初の記録が正確であれば、被害者側に有利な判断がなされることもあります。

弁護士特約を活用することで損を防げる

自動車保険に弁護士費用特約がついていれば、自己負担なく弁護士に相談・依頼することが可能です。この特約は、自分に過失がない事故でも利用できます。

保険会社の主張だけで解決が難しいと感じた場合、早めに弁護士に依頼することで適切な賠償を受ける道が開けます。

まとめ:供述の変化に惑わされず、冷静に証拠を集めて行動しよう

加害者側が証言を変えてきた場合でも、初期対応で得た警察の調書や現場証拠をもとに、十分に反論することは可能です。保険会社や相手の主張に流されず、冷静に対応しながら、自分の正当性を裏付ける材料を揃えておきましょう。

状況が複雑な場合には、弁護士特約を活用して法的サポートを受けることを強くおすすめします。

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