交差点内での交通事故は、事故の状況や信号の状態、車両の動きなどが複雑に絡み合うため、過失割合の判断が非常に重要です。特に右折車同士のすれ違いと、そこへすり抜け左折してきた車両が絡むケースでは、思わぬ展開になることもあります。本記事では、すり抜け左折が原因で起こる衝突事故について、過失割合や対応策を解説します。
交差点内での事故における基本的な過失の考え方
交通事故では、道路交通法や判例に基づいて「どちらにどれだけ過失があるか」が保険会社や裁判所で判断されます。交差点での右折・左折事故では、通常の直進車と右折車の事故とは異なり、状況の見極めがより重要になります。
基本的に、交差点内でのすり抜け行為(とくに左折レーン以外からの左折や、他車の右折待ちを追い越しての左折)は危険運転とされ、事故時の責任も重くなる傾向があります。
本ケースの状況整理と衝突の要因
今回のケースでは、あなたと対向車Aはともに右折を開始し、お互いにすれ違いで右折を完了しようとした矢先に、対向車Bが対向車Aの右側にできたスペースから強引に左折をしてきたことで接触事故が発生しました。
あなたは前方確認が不十分だったと述べていますが、対向車Bがすり抜けて無理な左折をしたことが、事故の主要な原因とも考えられます。特に交差点内ではすり抜け行為自体が危険であるため、対向車Bの過失が大きくなる可能性があります。
予測可能性と過失の配分について
事故における過失の大きな判断基準となるのが「予見可能性」です。あなたが対向車とすれ違いながら右折している中で、すり抜けて左折してくる車両を予測できたかがポイントです。現実的には、そのような行動は通常予測困難なため、相手側の責任が重くなる可能性が高いといえます。
ただし、「交差点内では常に周囲を警戒して運転すべき」という一般的な注意義務から、あなたにも一部の過失が認定されることは考えられます。過去の判例では、すり抜け左折車の過失が7~9割とされることが多く、残り1~3割が右折車側とされることもあります。
事故対応の流れと保険会社への伝え方
まずは事故現場の写真、信号の状況、当時の車の動きなどを整理し、保険会社に詳しく伝えましょう。ドラレコの映像がある場合は非常に有力な証拠となります。相手がすり抜け行為をしたことが明確であれば、その点を強調することで過失割合の交渉が有利になります。
また、警察の実況見分調書や、同乗者・目撃者の証言も大きな力になります。できる限り客観的な情報を揃えることが重要です。
再発防止のために|交差点での安全確認のポイント
今回のような状況を避けるためには、右折時でも常に「対向車の挙動」だけでなく「その奥や周囲の車線」にも注意を向ける必要があります。特に大型車の陰からバイクや自転車、強引な車両が出てくるケースは多いため、ミラーやサイドの確認を怠らないことが大切です。
また、右折の際は「最徐行」で交差点に進入することにより、咄嗟の回避も可能になることがあります。常に「何か来るかもしれない」という前提で運転するのが、安全運転の鍵です。
まとめ
交差点での右折中にすり抜け左折車と接触した場合、基本的には左折車(対向車B)の過失が大きいとされることが多いです。ただし、右折車側にも一定の注意義務が課されているため、完全に過失ゼロになるとは限りません。
事故後は、証拠の収集と事実関係の整理が重要です。保険会社や弁護士と連携し、冷静に対応することが、納得のいく過失割合の結果に繋がるでしょう。