人身事故を起こしてしまった場合、相手の怪我の程度や通院期間、さらには事故後の対応によって、加害者が負うことになる責任や罰金の金額が大きく変わることがあります。特に、診断上は軽傷であっても通院期間が長引いた場合、罰金や刑事処分にどのような影響を及ぼすのか、気になる方も多いでしょう。この記事では、人身事故後の罰金の相場や判断基準について詳しく解説します。
人身事故の刑事処分と罰金の仕組み
交通事故において人身事故と判断された場合、加害者には行政処分(免許の点数・停止など)と刑事処分(罰金や懲役など)の対象となります。刑事処分は主に「過失運転致傷罪」に基づき判断されます。
軽微な過失や傷害であれば略式起訴(書面だけで処理)となり、罰金刑(一般的に10万円〜50万円)となるケースが多いです。ただし、通院日数や被害者の後遺症の有無などにより金額が上下します。
診断書と通院期間の影響
警察に提出される診断書には、「全治◯日」という表現が記載されます。これが軽傷(例えば全治14日程度)と判断されれば、刑事処分も比較的軽く済む可能性が高くなります。
しかし、診断書上は軽傷であっても、被害者が通院を長期間続けている場合、検察がそれを重く見て罰金の上限が引き上げられることもあります。特に通院日数が90日を超えると、50万円程度の罰金が科されることも珍しくありません。
検察からの呼び出しが来ない理由
事故後半年以上経っても検察から呼び出しがないというケースもあります。これは以下のような理由が考えられます。
- まだ警察が捜査書類を検察に送致していない
- 被害者との示談が進行中または成立している
- 検察の審査・処理が遅れている
刑事処分の手続きには時間がかかることがあり、事故から1年以上経ってから通知が来る場合もあります。
示談の有無が処分に与える影響
示談が成立している場合、刑事処分が軽くなる可能性が高まります。示談書に「加害者を許す旨」が明記されていれば、不起訴や罰金の減額も見込めます。
そのため、可能であれば被害者との示談を進め、誠意ある対応を示すことが重要です。
罰金の支払いと今後の注意点
罰金が科された場合には、検察庁から略式命令と納付書が届きます。期限内に支払わなければ、労役場での拘束(労役場留置)になる可能性もあるため、必ず対応しましょう。
また、罰金を支払っても行政処分(免許の点数や停止)は別に課されるため、交通ルールをより慎重に守る必要があります。
まとめ:軽い事故でも罰金に大きな差が出る可能性
人身事故の罰金は、単なる診断書の内容だけでなく、その後の通院日数や示談の有無、被害者の態度など多くの要素で決まります。全治2週間の診断でも、6ヶ月通院すれば50万円の罰金が科される可能性はあります。
事故から時間が経っても、検察から通知が届くことは十分あり得るため、常に情報を整理しておき、誠実な対応を心がけることが重要です。