自転車事故で慰謝料を受け取る際の注意点と実際に手元に残る金額の考え方

交通事故に遭った際、保険会社から提示される金額や慰謝料の内容は専門的でわかりづらいことが多いです。特に自転車対車の事故では、被害者としてどれだけの補償を受け取れるか、そして実際にどれだけ手元に残るかを理解しておくことが大切です。

自賠責保険の上限額とその内訳

自賠責保険では、傷害による補償の上限は120万円です。この金額には以下の費目が含まれています:

  • 治療費(病院での診療費・薬代など)
  • 通院交通費
  • 休業損害
  • 慰謝料(精神的苦痛に対する補償)
  • 自転車の修理代は含まれない(物損扱い)

たとえば、通院費用が高額だったり、治療期間が長くなると、その分慰謝料として受け取れる金額は減ります。

通院慰謝料の計算方法

通院慰謝料は「通院日数 × 4,300円」または「通院期間 × 4,300円 × 2/3」のいずれか低い方で計算されます。たとえば30日通院した場合、30日 × 4,300円 = 129,000円が目安となります。

保険会社によっては定額の「1日あたり4,300円」で慰謝料を提示してくることがありますが、妥当性を確認するために自分でも計算してみましょう。

実際に受け取れる金額と控除される可能性のある費用

示談での合意により支払われる金額から、次のような費用が差し引かれることは基本的にありません(弁護士を雇っていない場合):

  • 治療費が病院に直接支払われていれば、それは別途扱い
  • あなたに支払われるのは通院交通費・休業損害・慰謝料分

ただし、自費で立て替えていた通院交通費などがある場合は、領収書を提出すれば支払対象になります。

また、自転車の修理代については物損扱いになり、自賠責とは別に加害者の任意保険から支払われるケースが多いです。

弁護士を依頼しない示談交渉の注意点

加害者側の保険会社はできるだけ支払いを抑えるよう交渉する傾向があります。そのため、示談書にサインする前に次の点を確認しましょう:

  • 示談金の明細が明確になっているか
  • 通院日数や休業損害が正確に反映されているか
  • 将来の後遺症に備えた記載があるか

必要に応じて、無料法律相談や交通事故に強い専門家に一度相談するだけでも、妥当性が見えてくることがあります。

まとめ:120万円満額は簡単ではないが交渉次第で適正額の確保も可能

自賠責保険の上限120万円は、すべてが「慰謝料」として受け取れるわけではなく、実際は治療費や交通費などを差し引いた金額になります。しかし、通院日数や損害の程度に応じて適正に交渉することで、満足のいく補償が得られる可能性もあります。

疑問が残る場合は早めに専門家のアドバイスを受けましょう。示談は一度成立すると原則としてやり直しができません。

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