ブランド中古市場の活況により、古物商を通じた商品の仕入れと転売が注目されています。しかし、適切な手続きを踏まないと違法と判断される可能性もあります。この記事では、古物営業法の観点から、中古ブランド品を仕入れて買取店へ転売する行為が合法かどうかを詳しく解説します。
古物商の基本:営業許可と取り扱い範囲
まず大前提として、中古品の売買を反復継続して行うには「古物商許可」が必要です。この許可は都道府県の公安委員会から取得するもので、ブランド品に限らず、書籍や家電など多岐にわたる中古品取引に適用されます。
古物商許可を持っている事業者であれば、ブランド中古市場(オークションなど)で商品を仕入れ、別の業者に販売すること自体は違法ではありません。ただし、古物営業法に基づき、取引の記録や確認義務を怠ると行政処分の対象になります。
「転売」の範囲と合法性について
一般的に、古物商が仕入れた商品を他業者(たとえば買取店など)に売却する行為は「転売」にあたり、古物営業法上で合法です。違法とされるのは、盗品と知りながら売買する、あるいは業として無許可で古物の売買を行う場合です。
例として、古物市場で入手したルイ・ヴィトンのバッグを、査定価格が高い別のリユース業者に売却して利益を得たとしても、帳簿や取引記録を適切に残していれば問題ありません。
注意すべき「なりすまし仕入れ」や形式的な抜け道
注意点として、古物市場での仕入れを正当化するために、個人を装って入札・購入する行為は違法とみなされる場合があります。古物商の取引には「帳簿記録」「本人確認」「商品管理」が法的に求められるため、形式を整えただけの抜け道は避けるべきです。
また、古物営業法では買い受けた物品の保管・譲渡に関する義務も定められており、一定期間商品を保管する義務(3日間の保管義務など)があるケースもあります。
適法な取引を行うための実務チェックリスト
- 公安委員会から古物商許可を取得しているか
- 商品を仕入れた際の取引記録を保存しているか
- 売却先に対しても取引内容を記録しているか
- 商品が盗品などでないか真贋確認をしているか
- 古物営業法に基づく標識の掲示や台帳管理をしているか
これらをクリアしていれば、転売による利益追求は合法の範囲内といえます。
まとめ:古物商としての信頼と法令遵守が鍵
ブランド中古市場から仕入れて買取店に売る行為は、古物商許可を得たうえで法令を遵守していれば違法ではありません。むしろ、ビジネスチャンスとして大きな可能性を秘めています。
しかし、安易な取引や記録の不備は法的リスクにつながるため、常に古物営業法に沿った運営とチェック体制の構築が重要です。わからない点は都道府県の警察署や古物市場の運営者に相談することをおすすめします。