日常のなかでふとした瞬間に発生する、歩行者との接触未遂や転倒事故。たとえ物理的にぶつかっていなくても、相手が驚いて転倒した場合、どのように対応すべきなのか悩む方は少なくありません。本記事では、特に高齢者との接触があったケースを中心に、事故時の対応と法的なポイントについて解説します。
物理的接触がなくても責任が問われる可能性はある?
まず重要なのは、たとえ実際に接触していなくても、転倒が自身の行動に起因する場合には一定の責任が問われる可能性があるということです。民法上では「不法行為」に基づき損害賠償を求められるケースもあります。
特に高齢者など、転倒による怪我が深刻化しやすい相手との接触未遂では、後々トラブルになることもあるため注意が必要です。
その場での正しい対応とは?
万が一、高齢者が転倒した場面に遭遇したら、以下の対応が望ましいとされています。
- すぐに声をかけ、体調や怪我の有無を確認
- 必要であれば救急車を呼ぶ
- 相手の家族や連絡先を聞き、連絡を取る
- 可能であればその場を離れず、家族が到着するまで付き添う
今回のケースのように、相手が「責任を負わせたくない」と言って立ち去らせた場合でも、念のためその場で自分の連絡先を伝えておくのが望ましい対応です。
警察や第三者への報告は必要か?
相手が怪我をしていないと思われても、念のため警察に連絡して事故として記録してもらうことで、後のトラブルを防ぐことができます。特に転倒が原因で後日症状が出てくることもあるため、自己判断で済ませるのは避けましょう。
通報することで、自分の対応の正当性や記録が残るため、法的にも有利になる可能性があります。
後日連絡が来た場合の対応方法
もし後日、転倒した相手やその家族から連絡があり、治療費や慰謝料を求められた場合は、すぐに対応せず、保険会社や弁護士に相談しましょう。個人でやり取りをすると、思わぬ発言が責任を認めることになってしまう可能性があります。
また、自転車や歩行中の事故であっても、個人賠償責任保険が適用される場合がありますので、加入している保険内容の確認も重要です。
事例:似たようなケースの対応例
過去に、自転車で歩行者の横を通過した際に、歩行者が驚いて転倒し、怪我を負ったケースでは、最終的に自転車側に5割の過失が認定された例もあります。このように、実際の接触がなくても、加害者とされることがあるのです。
反対に、誠実な対応を取ったことで被害者からも理解を得られ、示談となり法的問題に発展しなかったケースも多くあります。
まとめ:トラブルを防ぐために心がけるべきこと
今回のように、自分に悪気がなくても、相手が転倒すれば責任の一端を問われる可能性があります。重要なのは、その場で誠実に対応し、必要であれば第三者機関に相談することです。
今後同じような場面に出くわした際には、冷静に行動し、自分と相手の両方を守れる対応を心がけましょう。