近年、生成AIを活用してポスターやチラシを制作する例が増えています。特に自治会などの地域行事では、手軽で魅力的なデザインが作れるため注目されています。しかし、AIで作成したイラストや絵柄を使う際に「著作権」や「商用利用の可否」が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、夏祭りポスターにAI画像を使う場合の法律上・実務上の注意点をわかりやすく解説します。
AIが生成した画像には著作権はある?
日本の著作権法では、基本的に「人間による創作」に著作権が認められます。そのため、完全にAIが自動で作成した画像には著作権が認められないというのが文化庁の見解です。
つまり、AIが作った画像は著作権を持つ人がいないため、法律上は自由に使えるという考え方も可能です。ただし、AIの仕組みや利用規約によっては例外もあります。
AI画像をポスターやチラシに使っても問題ないのか
自治会のような非営利目的のイベントであれば、AI画像を使うこと自体に大きな問題は生じにくいと考えられます。特に次の点を確認しておけば、より安心です。
- 使用しているAIツールの利用規約に商用・非商用の区別があるか
- 画像生成に使ったプロンプト(指示文)に著作物名やキャラクター名を含んでいないか
- 生成された画像が明らかに既存作品の模倣ではないか
例えば、著名なアニメキャラ風の画像などは意図せず著作権侵害になることがあるため注意が必要です。
AI画像の著作権トラブルが起きるケースとは
AI画像の利用で問題となるケースの多くは、以下のような場合です。
- 商標権のあるロゴやマークが含まれている
- 元画像が著作物に酷似している(AIが学習した素材に問題がある)
- 利用規約違反(営利目的利用不可の画像を商品に利用したなど)
特に営利目的でTシャツやグッズにプリントする場合は、画像の出所や権利関係をより厳密に確認する必要があります。
ポスター・チラシに安全に使うためのチェックリスト
AI画像をポスターやチラシに使用する際は、以下のチェックポイントを確認しましょう。
確認項目 | OKの目安 |
---|---|
AIツールの利用規約 | 非営利利用が許可されている |
生成画像の内容 | 実在キャラやロゴに似ていない |
画像の用途 | 地域イベントでの配布目的 |
加工の有無 | AI画像をそのまま・もしくは少し加工 |
上記すべてに該当すれば、トラブルのリスクはほぼないと言えます。
具体例:実際にAI画像でポスターを作った自治会の事例
ある東京都内の自治会では、Bing Image Creator(無料AI画像生成サービス)を使って夏祭りポスターを作成しました。生成に使ったプロンプトは「日本の夏祭り、夜、屋台、提灯、子どもたち」で、特定のキャラクターなどは使わず、完全オリジナルの雰囲気の画像を活用。
その画像をWordでレイアウトし、100部印刷して各家庭に配布しました。特に問題もなく、むしろ「ポスターがかわいい」と好評だったそうです。
まとめ:AI画像の利用は原則OK、ただし確認は怠らずに
AI画像を使ってポスターを作ること自体に違法性はほとんどありません。しかし、使用するAIの規約と生成した画像の内容により、思わぬ権利問題に巻き込まれることもあります。
安全に使うためには「利用規約の確認」「画像内容のチェック」「営利・非営利の判断」をしっかり行いましょう。特に地域イベントであれば、常識的な範囲で活用する分には大きな問題になることは少ないと考えられます。
自治会活動を盛り上げる手段として、AIをうまく活用していきましょう。