離婚直前の財産隠し目的の浪費は通用するのか?競馬などへの使い込みと法的リスクを解説

離婚における財産分与は、婚姻期間中に築いた共有財産を公平に分けるための仕組みです。中には「分与されるくらいなら浪費してしまえ」と考える人もいますが、そのような行動には法的なリスクが伴います。この記事では、離婚直前に競馬やギャンブルで財産を消費した場合の扱いや、裁判所の判断基準、そして避けるべきリスクについて解説します。

財産分与の基本的な仕組みとは?

財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を離婚時に公平に分配する制度です。名義に関係なく、共に築いたと見なされる財産(預貯金・不動産・有価証券など)が対象となります。

また、特別な事情がない限り「公平」を原則とするため、一方的な浪費や隠匿行為は公正性を損なうものとされます。

離婚前の浪費行為はどう扱われるのか?

民法には「清算的財産分与」の考え方があり、離婚時点での実際の財産が基準になります。しかし、離婚を見越した意図的な浪費(使い込み)は「不当な減耗」とみなされ、相手から損害賠償や分与額の調整請求がされる可能性があります。

つまり、財産が目減りしていても、「どうして減ったのか」が重要なのです。ギャンブルに使った明確な証拠があれば、後から追及されることもあり得ます。

実際にあった判例とその考え方

過去の判例でも、離婚前に多額の財産をパチンコや競馬に使ったケースで、「社会的に不相当な支出」として浪費分を考慮し、分与額に加算した裁判例があります。裁判所は、財産の使途や浪費の意図性を重視します。

たとえば、離婚前数ヶ月で急激に出金が増えた場合、弁護士や裁判所は「離婚を想定した意図的な消失」と判断する可能性が高いです。

配偶者が不正行為をした場合の対応

もし配偶者が意図的に財産を消費していたことがわかった場合、「財産分与における不当減耗の主張」をすることで、消費された分を分与財産としてみなして請求できる可能性があります。

この際には、通帳の記録やレシートなどの証拠が重要になります。また、専門の離婚弁護士に相談することで、適切な対応が取りやすくなります。

ギャンブルによる浪費が問われやすい理由

  • 一時的・突発的な大金の引き出しが記録に残りやすい
  • 使用先がはっきりせず、虚偽説明が露見しやすい
  • 損失が明確で、説明責任を問われやすい

特に競馬やパチンコといったギャンブルは「合理的支出」として正当化しにくいため、浪費と判断される確率が高いのです。

まとめ:離婚前の浪費はリスクしかない

財産分与を避けるために競馬などで財産を消費する行為は、法的には浪費と見なされ、むしろ不利な立場になる可能性があります。損害賠償請求や財産分与額の増額につながるリスクもあり、結果的に損をする恐れが高いです。

離婚に際しては感情的にならず、法律に基づいた冷静な判断を行うことが、自分自身を守る最善の方法です。トラブルを避けるためにも、信頼できる専門家への相談をおすすめします。

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