ボーナスが支給されたとき、借金返済に全額を充てるべきか、それとも将来の備えとして一部を貯金しておくべきか、多くの人が悩むテーマです。特に月々の返済が滞っていない状態であれば、どの選択肢が最適なのかを判断するのは難しいものです。今回は、借金とボーナスのバランスの取り方について、専門家の見解や具体例を交えて解説します。
借金返済の基本方針とは?
借金は利息がかかる以上、基本的には早めに返済するのが鉄則です。とくにリボ払いや消費者金融のような高金利の借入は、返済が長期化すると支払総額が膨らむリスクがあります。
たとえば、年利15%の借金100万円を月6万円ずつ返済した場合、完済までに約19万円以上の利息を支払うことになります。一方、50万円を一括返済に充てれば、利息負担を大幅に軽減できるでしょう。
すべて返済に充てるのが正解なのか?
確かに利息負担を減らすためには一括返済が理想です。しかし、生活防衛資金が確保されていない場合は、全額返済はリスクにもなります。急な出費(医療費、家電の故障、親族の不幸など)が発生した際に、再び借金に頼ることになるのは本末転倒です。
一般的には、最低でも生活費3ヶ月分の貯金は確保しておくのが望ましいとされます。ボーナスのうち一定額を「万が一用」として取っておくのは甘えではなく、むしろリスク管理として合理的です。
実例:ケース別にみるボーナスの使い方
ケース1:借金額100万円/ボーナス50万円
この場合、すべて返済に充てれば残債は50万円に半減しますが、手元に現金が残りません。6万円の月払いが可能な生活余力があるなら、30万円を返済、20万円を貯金というような「ハイブリッド型」の使い方も一案です。
ケース2:借金額50万円/ボーナス50万円
返済によって借金ゼロにでき、心理的な負担も軽くなるケースです。ただし、全額返済後に残高ゼロになるのが不安なら、45万円を返済、5万円を手元に残すという形も検討できます。
繰上げ返済の前に確認すべきポイント
- 繰上げ返済に手数料がかかるか
- 返済優先順位(利息が高い順に返す)
- 生活防衛資金の有無
- 今後の収入見込み(転職予定や不安定な勤務など)
これらを整理した上で返済プランを立てることで、無理なく健全な家計を維持できます。
貯金があることの安心感
借金を抱えていても、緊急用の貯金があれば心に余裕が生まれます。精神的な安定は、長期的な返済計画の継続にも寄与します。むしろ、全額返済して再び借りる状況を繰り返すよりも、「借金を減らしつつ、備えも確保」という選択は堅実なアプローチです。
まとめ:借金返済も貯金も両立は可能
ボーナスの使い道に正解はありませんが、借金を減らしながら貯金も維持することは現実的で理にかなった判断です。利息を抑えつつ、突然のトラブルにも対応できる体制を整えることが、長い目で見たときに最も賢明な選択となるでしょう。
「甘い」と考える必要はありません。むしろ、堅実な資金計画として誇るべき選択です。