右直事故における信号と速度超過の影響|過失割合はどう決まる?

交差点での右直事故は、信号の色や速度違反といった複数の要素が絡むため、過失割合の判断が非常に複雑です。特に、黄色信号や赤信号への変化、そして速度超過といった状況下では、どちらがどの程度責任を負うのか悩む方も多いでしょう。この記事では、右直事故の過失判断において重要となるポイントを解説します。

右直事故とは?基本的な過失割合の考え方

右直事故とは、交差点で直進車と右折車が衝突する事故を指します。通常の過失割合は直進車:右折車=20:80が基準とされています。しかしこれは「信号に従い、適正な速度で走行していた」場合の基準であり、信号違反や速度超過があれば大きく変動します。

たとえば、右折車が信号の変わり目で慎重に右折している状況や、直進車が赤信号を無視していた場合、過失の割合が逆転するケースもあります。

信号が黄色から赤に変わる瞬間の判断基準

直進車が交差点手前で黄色信号だった場合、信号無視とされるかどうかは「停止線通過の時点」での信号の色により判断されます。停止線通過時に黄色であれば違反ではないとされるのが一般的です。

ただし、黄色信号でも「安全に停止できる状況で止まらずに突入した」と見なされた場合、信号無視と評価される可能性もあります。これは特に制限速度を大幅に超えている場合に当てはまります。

速度超過は過失割合にどう影響するのか?

直進車が制限速度を30〜40km/hも超過していた場合、それ自体が重大な過失とされ、過失割合が不利になる可能性が高いです。例えば、本来の直進車の過失が20%であっても、速度超過によって30〜40%まで引き上げられることがあります。

速度超過によって危険予測が困難となり、右折車側が「安全だと誤信した」と主張する根拠にもなり得ます。特に徐行で慎重に右折していた場合、右折車の過失が軽減される可能性があるのです。

右折車が黄色信号で進入した場合の評価

右折車が黄色信号で進入した場合でも、その進入が適切かどうかは重要です。徐行しながら安全を確認していた場合と、急な加速で無理な右折をした場合とでは評価が異なります。

本ケースのように、右折車が10km/hの徐行で黄色信号に進入し、安全確認をしていた状況であれば、右折車に有利に働く可能性があります。

実際の裁判・判例における判断事例

実際の裁判例では、速度超過や信号無視といった違反があると、基本的な過失割合が大きく修正される傾向にあります。例えば、直進車が40km/hオーバーで赤信号に突入したケースでは、直進車の過失が70%にまで認定された事例もあります。

一方、右折車が信号無視や急な進入であったと判断されれば、右折車側の過失が重く見られることになります。

まとめ:過失判断は複数の要素の総合評価

右直事故の過失割合は、単に信号の色だけでなく、速度、信号の変わり目での状況、進入速度、安全確認の有無など、複数の要素を総合的に考慮して決定されます。

本ケースでは、直進車の大幅な速度超過があったこと、信号の変わり目で赤信号に変わっていたこと、右折車が徐行で慎重に右折していたことから、右折車の過失が軽減される可能性は十分にあります。

具体的な過失割合を判断するには、ドライブレコーダーの映像や目撃証言などの客観的証拠が重要です。最終的な判断は保険会社や裁判所が行いますが、当事者としては冷静に情報を整理し、法的根拠を持って交渉することが大切です。

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