財産分与での車の評価額はなぜ結審時基準なのか?その理由と具体例でわかりやすく解説

離婚に伴う財産分与では、車や不動産、預貯金などの共有財産が公平に分けられる必要があります。中でも「車」の評価額をいつの時点で判断するかは重要です。多くの場合、車の評価は結審時を基準とすることが推奨されていますが、その理由を具体例とともに解説します。

結審時とは何か?評価基準のタイミングを理解する

「結審時」とは、裁判や調停が終結する時点のことを指します。この時点の資産価値をもとに、財産分与の対象物がどれだけの金銭的価値を持つのかを判断するのが一般的です。

離婚手続きは数か月から1年以上かかることもあり、その間に車の価値は変動する可能性があるため、最新の価格を基準にするのが公平という考え方です。

車の価格はなぜ変動するのか?

車の価値は時間の経過とともに減少します。これは「減価償却」と呼ばれ、年式や走行距離、事故歴などの要因により市場価値が変わるためです。

たとえば、新車で300万円の車があっても、1年後には250万円、2年後には200万円と価値が下がっていくのが一般的です。

具体例:購入時 vs 結審時の評価額の違い

例1:2022年に購入した車(新車価格300万円)を2024年の結審時に評価する場合、査定では200万円まで落ちている可能性があります。
もし購入時点の価格で財産分与をすれば、もう一方が150万円相当の資産を受け取ることになりますが、実際の車の価値は200万円。これでは不公平が生じます。

例2:逆に中古車市場が値上がりした車(特殊な人気モデルやEV車など)であれば、結審時に価値が上がっている場合もあり、購入価格よりも高い査定額がつくこともあります。

評価時期を誤ると不公平になる理由

財産分与は、あくまで「現在の資産を公平に分ける」ことが原則です。もし過去の価値を基準にしてしまうと、どちらか一方に有利または不利になってしまい、トラブルの原因になります。

そのため、変動しやすい資産である車については、結審時の時価で判断するのが合理的なのです。

どのように評価額を調べるか

結審時の評価を行うには、中古車販売店での査定や車種別のオークション相場、インターネットの車買取サイトの相場チェックなどが有効です。
特にGoo-netカーセンサーなどの信頼できる情報源を利用するのがおすすめです。

まとめ:公平性を保つための「結審時評価」

車は資産価値が日々変動するため、財産分与においては「結審時の評価額」を採用することで、より公正で納得感のある分配が実現できます。

価格の変動があるからこそ、その時点での価値に基づく判断が大切です。離婚協議や調停を進める際には、専門家のアドバイスを受けながら進めるのが安心です。

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