交通事故で物損から人身へ切り替えた場合の対応と注意点|加害者の誠意が見えないときの対処法

交通事故において、加害者側の態度や対応に不誠実さを感じる場面は少なくありません。とくに当初の約束と異なる対応をされると、被害者側の不信感は高まり、精神的にも大きな負担となります。この記事では、物損事故から人身事故への切り替えや、約束違反に対する対応策について実例を交えて解説します。

■物損事故から人身事故への切り替えは可能なのか?

原則として、事故発生時に物損事故として処理されていても、診断書など医師の証明がある場合は、人身事故への切り替えが可能です。警察署に「診断書」「ドラレコ」「事故発生時の状況説明」などを提出すれば、手続きを受け付けてもらえるケースがほとんどです。

ただし、時間が経過しすぎると「事故との因果関係が不明」と判断される可能性があるため、早めの行動が推奨されます。

■加害者が初心者でも、責任は変わらない

たとえ加害者が初心者運転者であっても、法的責任や賠償責任に変わりはありません。10:0で相手に過失があると警察が認めた場合、被害者が自己負担を強いられるのは極めて不合理です。

本件のように「物損扱いにしてほしい」と頼まれ、被害者側が了承したとしても、その後保険の支払いが不十分であれば、再交渉や人身切り替えは妥当な判断といえます。

■保険会社の「ミラー同士」「骨折でないから支払えない」は正当か

保険会社が「ミラー同士だから」や「骨折でないから支払えない」と伝えてくるケースがありますが、これは明確な医師の診断書がある限り、支払い義務の放棄にはなりません

自賠責保険には治療費・通院費・休業補償などが含まれており、ムチウチのような頚椎捻挫も対象となります。相手側が任意保険で対応しない場合でも、自賠責保険への請求が可能です。

■加害者からの謝罪がない場合の心理的ダメージ

事故後、菓子折りや謝罪の連絡がないというケースは珍しくありません。しかし、加害者側が「誠意」を見せないことは、被害者にとって精神的ストレスの大きな要因となります。

謝罪の有無が法的責任に影響するわけではありませんが、人間関係として誠実さが問われる場面です。代理人(弁護士)を立てる前にひと言の謝罪があるだけで、印象は大きく変わったかもしれません。

■弁護士特約を活用した場合の対応

加入中の保険に弁護士費用特約があるなら、費用の負担なく弁護士を立てて交渉することができます。相手に弁護士がついた時点でこちらも専門家を通した交渉が望ましく、感情的なやりとりを避ける意味でも有効です。

ただし、10:0の案件では保険会社が表立って動けない場合があるため、自身の加入保険を再確認しておきましょう。

■まとめ:早めの人身切り替えと第三者相談がカギ

物損事故として処理しても、後日治療が必要となった場合には人身事故への切り替えが妥当です。相手の態度や保険会社の対応に納得できない場合は、感情に流されずに証拠(診断書・ドラレコ・事故状況)を整理し、警察署・自賠責請求・弁護士相談などの制度を活用しましょう。

被害者として正当な補償と説明を受ける権利があります。加害者の初心者性や謝罪の有無で対応を諦める必要はありません。

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