異母兄弟がいる場合の相続分の計算方法とは?法律に基づいた分配のしくみをわかりやすく解説

相続が発生した際に、兄弟姉妹が相続人となるケースでは、異母兄弟(半血兄弟)と実の兄弟(全血兄弟)との間で相続分に違いが出ることがあります。特に「なぜ分母が3になるのか?」という点で混乱する方も多いのではないでしょうか。この記事では、異母兄弟がいるケースにおける法定相続分の計算方法を、法律に基づいて具体例とともに解説します。

兄弟姉妹が相続人となる場合の基本ルール

民法第900条では、兄弟姉妹が相続人となる場合の法定相続分について定められています。ここで重要なのは、異母兄弟(半血兄弟)は、実の兄弟(全血兄弟)の相続分の半分になるという点です。

つまり、兄弟姉妹同士でも血縁の近さによって相続分が異なるという仕組みになっています。

なぜ分母が「3」になるのか:具体的な計算例

たとえば、被相続人Aに配偶者も直系尊属(父母や祖父母)も子もいない場合、相続人は兄弟姉妹のみとなります。

その相続人が、
・全血兄弟B(1人)
・半血兄弟C(1人)
だったとします。

この場合の計算は以下のようになります。

  • 全血兄弟B:1人 × 法定相続分1 = 1
  • 半血兄弟C:1人 × 法定相続分0.5 = 0.5

合計:1 + 0.5 = 1.5(=3/2)
よって、Bの取り分は1 ÷ 1.5 = 2/3、Cの取り分は0.5 ÷ 1.5 = 1/3となるのです。

このルールが定められた背景

このルールは、家族の結びつきや扶養義務の程度に応じて公平に財産を分配する目的で設けられています。全血兄弟は被相続人と両親を共有しているため、半血兄弟よりも相続権が強いと見なされるのです。

なお、兄弟姉妹に代わって甥や姪が相続する「代襲相続」がある場合でも、同じように半血・全血の違いによる相続分の調整は適用されます。

兄弟姉妹が複数いる場合の応用例

もし、以下のように相続人が3人だった場合。

  • 全血兄弟:2人
  • 半血兄弟:1人

各人の割合は、
全血兄弟2人 → 各1 → 合計2
半血兄弟1人 → 0.5
合計2.5(=5/2)

全血兄弟1人の取り分:1 ÷ 2.5 = 2/5
半血兄弟の取り分:0.5 ÷ 2.5 = 1/5

このように、全体を「半血兄弟=0.5人分」として合計し、それぞれの取り分を割合で計算する仕組みです。

まとめ:分母は全体の割合で自動的に導き出される

「なぜ分母が3になるのか?」という疑問は、相続人の割合(全血兄弟=1、半血兄弟=0.5)で合計を出し、その合計を分母とすることで自然に解消されます。計算式そのものはシンプルでも、理屈を理解することが重要です。相続の話題は複雑になりがちですが、仕組みを一度理解しておくと、いざという時にも冷静に対応できるでしょう。

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