自転車で横断歩道を渡るときの過失割合は?自転車横断帯の有無による違いと事故時の対応を解説

近年、自転車に乗る人の増加とともに、自転車と車の交通事故も増加しています。特に「横断歩道を青信号で渡っていたのに車に衝突された」というケースでは、過失割合に納得できない当事者が多く見受けられます。本記事では、自転車が横断歩道を渡る際に交通事故に遭った場合、自転車横断帯の有無によって過失割合がどう変わるのか、そして適切な対応についてわかりやすく解説します。

自転車横断帯とは?歩行者用横断歩道との違い

横断歩道には「歩行者専用の横断歩道」と「自転車横断帯」が併設されている場合があります。自転車横断帯とは、白の点線などで表示された自転車専用の通行帯で、歩行者横断歩道の横に並んで設置されていることが多いです。

ポイント:道路交通法上、自転車は「車両」に分類されており、横断歩道を走行する際は原則としてこの自転車横断帯を通行しなければなりません。

一方で、自転車横断帯が設けられていない横断歩道の場合、自転車は一旦降車し「歩行者」として横断することが望ましいとされています。

自転車横断帯を走行中に事故に遭った場合の過失割合

自転車横断帯があるにもかかわらず車が右折や左折して自転車と衝突した場合、自転車が青信号に従って通行していれば、基本的には自動車側の過失が大きくなります

典型的な過失割合としては、車側90%・自転車側10%がベースになります。ただし、速度超過や急な飛び出しなどが自転車側にあれば修正されることもあります。

判例でも、青信号で自転車横断帯を通行中の事故では、車両の注意義務違反が大きく評価される傾向があります。

自転車横断帯がない場所で横断した場合の過失割合

一方で、自転車横断帯がないにもかかわらず、自転車に乗ったまま横断歩道を走行していた場合は、過失割合が変わってきます。

この場合、自転車は「車両」としてのルールを守っていないと判断され、歩行者と同じ保護を受けにくくなります。過失割合は車70%・自転車30%などに修正されることがあります。

また、信号の状況や自転車の速度、周囲の交通状況によっても大きく左右されるため、事故当時の状況をできるだけ正確に記録しておくことが重要です。

事故後にやるべきことと証拠の確保

事故に遭った直後は動揺してしまいがちですが、以下のポイントを意識して対応することで、後の過失割合の交渉や損害賠償請求で有利になります。

  • 現場写真の撮影:横断歩道の状況、自転車の損傷、信号の位置など
  • 目撃者の確保:周囲にいた人の証言が得られると説得力が増します
  • 警察への通報:事故証明を発行してもらうためにも必ず警察に連絡を
  • 保険会社への連絡:通院や物損の補償のためにもすぐに連絡を取りましょう

また、ドラレコ映像や近隣防犯カメラの確認も証拠として活用できる可能性があります。

自転車側の主張が通らないときの対処法

相手方や保険会社から「自転車側の過失が大きい」と一方的に主張された場合でも、必ずしもそれに従う必要はありません。次のような対応を検討してください。

  • 交通事故に詳しい弁護士への相談:初回無料相談を行っている事務所も多数あります
  • 日弁連交通事故相談センターの活用:公的機関として中立的にアドバイスを提供しています
  • 法テラスの利用:経済的に負担が少ない方法で専門家の支援が受けられます

自転車側の主張が正当なものである場合、粘り強く証拠を揃えることで過失割合の見直しを求めることが可能です。

まとめ:自転車の走行位置で過失割合は大きく変わる

青信号であっても、自転車横断帯を通っていたかどうかによって、事故時の過失割合は大きく異なります。自転車横断帯の有無と走行位置が、責任割合に直結するポイントであるため、自転車を運転する際はその点を常に意識しましょう。

万が一事故に遭ってしまった場合には、冷静に証拠を集め、相手方と安易に示談せず、必要であれば専門機関の力を借りることが重要です。

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