支払いの場面でよくある疑問が「振込期限が○月○日の場合、その当日に振り込めば間に合うのか?」というものです。特に仕事上の請求書や家賃、ローンなどの支払い期限において、誤解がトラブルにつながることもあります。この記事では、振込期限当日の扱いについて、法律と実務の両面から詳しく解説します。
振込期限「当日」は基本的に期限内
一般的に、「○月○日が振込期限」とされている場合、その日付いっぱい(=23時59分まで)に相手の口座に入金が完了していれば、期限内とされます。つまり、7月7日が期限なら、7月7日中に着金すればセーフです。
ただし、これはあくまで着金が確認された場合の話です。多くの場合、送金のタイミングによっては当日中に着金しないこともあるため注意が必要です。
振込の「完了」と「着金」は違う?
たとえば、銀行の営業時間(通常は平日9時〜15時)外にインターネットバンキングで振込手続きをした場合、手続き自体は7日中でも、実際の着金が翌営業日となることがあります。これにより、相手方に「期限後の入金」と見なされるリスクがあります。
例:7月7日(日曜日)が振込期限で、15時以降に振り込んだ場合、着金が7月8日(月曜日)になる可能性が高く、これでは期限に遅れたと扱われる可能性があります。
契約書や請求書の記載に注意
契約書や請求書に「◯月◯日までに着金」と明記されている場合、単に振込手続きを完了しただけでは不十分です。このような場合は、着金が確実に当日中に行われるよう、銀行の営業時間内に振込を完了させる必要があります。
逆に、「振込手続完了をもって支払済とする」と明記されている場合は、着金が翌日でも期限内と認められる可能性があります。
トラブル回避のための実務的な対策
確実に期限内扱いにしたい場合は、振込期限日の午前中、できれば銀行営業時間内(〜15時)に振込を完了させるのが安全です。
また、重要な支払いについては、事前に振込予定日を相手に伝えたり、送金明細を送付することで誤解を防ぐことができます。場合によっては、前日までの振込が望ましいでしょう。
実例:振込遅れで起きたトラブル
企業間取引で、期限日に15時以降に振込を行ったところ、着金が翌営業日となり、「支払遅延による契約違反」として違約金を請求された例があります。契約書には「当日着金」が明記されており、手続き完了では認められませんでした。
一方、ある家賃契約では、賃貸借契約書に「支払期限までに振込手続を行えば可」と記載されていたため、夜間のインターネットバンキングでの送金でも問題とされませんでした。
まとめ:振込期限当日の対応は「着金」を意識して
「振込期限=当日中であればセーフ」と思い込むのは危険です。特に契約書や請求書に「着金基準」が明記されている場合は、当日中の振込手続きでは不十分です。
トラブルを避けるには、余裕をもった振込計画と、相手との事前確認がカギとなります。特に金融機関の営業時間を把握し、時間外になる前に対応するよう心がけましょう。