外食時に会計金額が予想より高くて驚いた経験はありませんか?その原因のひとつに「税込表示」や「税抜表示」に関する誤解があります。特に飲食店では、メニュー表と実際の請求金額に違いがあることでトラブルに発展することもあります。本記事では、消費者が知っておくべき料金表示のルールと、もし不適切な表示に出くわした場合の正しい対応法について解説します。
税込表示は義務化されている
日本では、2021年4月からすべての小売業者や飲食店に対して「総額表示(=税込価格の表示)」が義務付けられています。これは消費者にわかりやすくするための制度で、税抜き価格だけを提示するのは原則として認められていません。
たとえば「ビール 500円(税込)」と表記されていれば、レシートでも500円の請求になります。一方、「ビール 500円(税抜)」と明記されている場合は、合計で550円になることを意味します。
誤表示があった場合の店舗の対応義務
メニューに「税込」と記載があるにもかかわらず、会計時に追加で消費税が加算されている場合、これは明確な表示義務違反です。消費者庁のガイドラインでは「実際の支払額と異なる価格を表示することは景品表示法違反」とされています。
このような場合、店舗側は価格表示の誤りを認め、表示価格で会計するのが適切な対応とされます。
消費者がとるべき対応と相談窓口
表示内容と会計額が異なっていた場合、まずは冷静に店舗スタッフへ確認をとりましょう。「メニューに税込と書いてあるので、この価格が最終価格では?」と指摘することで、誤請求に気づいて訂正してくれるケースも多いです。
それでも対応が不適切な場合や、再発防止を求めたいときは、消費者庁またはお住まいの自治体の消費生活センターに通報することが可能です。
実際にあったトラブル事例とその対処
ある利用者は、居酒屋で「ドリンクメニューは税込」と明記されていたにもかかわらず、伝票ではすべて税抜価格に加算されて請求されたといいます。店員に確認すると「メニュー表が間違っている」との回答だったとのこと。
このケースでは、事後であっても店舗に連絡し返金を求めることができ、証拠としてメニュー写真やレシートを保存しておくことが望ましいです。また、今後同様のトラブルを避けるための表示改善を要請することも可能です。
「たかが数十円」では済まされない消費者の権利
金額が少額でも、繰り返し同様の誤表示をしている場合は、消費者庁が指導や処分を行う対象になります。不当表示は消費者に不利益を与える行為であり、たとえ100円の違いでも泣き寝入りする必要はありません。
飲食店側も表示ミスを未然に防ぐために定期的なメニュー確認とスタッフへの教育が求められています。
まとめ:表示価格と支払い金額に違和感を感じたら確認を
飲食店での「税込」「税抜」の表示ミスは思いのほか多く、知らずに損をしてしまうことも。表示と請求額に違いがあった場合は、迷わず指摘しましょう。
それが消費者としての正当な権利であり、健全な取引環境を維持するためにも必要な行動です。万が一のために、レシートとメニュー表の写真は記録しておくことをおすすめします。