信号待ち中や停車中の車に軽く追突してしまったというケースは、日常的に多く発生しています。軽度な事故に見えても、思わぬ賠償金が発生したり、後から相手が通院や治療を希望することもあります。本記事では、追突事故が起きた際の賠償の目安や、今後どのような対応が必要になるのかをわかりやすく解説します。
軽微な追突事故でも発生する可能性のある賠償項目
車対車の追突事故では、以下の3つの賠償項目が主に発生します。
- 物損:車両やナンバープレートの修理費
- 人身:むち打ちなどの治療費や通院交通費
- 慰謝料:精神的苦痛に対する損害賠償
たとえ「相手は大丈夫そうだった」と感じたとしても、時間が経ってから痛みを訴えるケースはよくあります。その場合、保険を使って人身対応に切り替える必要が出てきます。
物損に関する費用の目安
今回のように「ナンバープレートが少し変形しただけ」のケースでは、修理費は数千円〜1万円台で済む可能性があります。ただし、バンパーや車体に隠れた損傷が見つかると、修理費が3〜10万円を超えることもあります。
例:バックナンバープレートの交換費(部品+工賃)で約5,000〜10,000円前後。バンパーの変形があれば、交換費用込みで5万円以上になることも。
相手が通院を始めた場合の人身損害費用
相手が後日「首が痛くなった」などとして整形外科に通院し始めた場合、次のような費用が発生します。
- 治療費(保険会社が病院に直接支払い)
- 通院交通費(公共交通機関やガソリン代など)
- 休業損害(勤務先の証明書が必要)
- 通院慰謝料(通院1日あたり4,300円前後が目安)
例えば、週に2回・3ヶ月通院した場合、慰謝料だけでも約10〜15万円ほど請求されることがあります。
保険を使うことで自己負担は基本ゼロ
任意保険に加入していれば、対物賠償・対人賠償保険によってほとんどの費用がカバーされます。したがって、今回のような軽微な追突事故であっても、保険会社にすぐに連絡し、すべてを任せるのが基本です。
ただし、翌年の保険等級が1〜3等級下がり、保険料が上がる可能性はあります(事故有等級制度)。
警察への通報と人身事故扱いの可能性
すでに警察に連絡し物損事故として処理された場合でも、相手が後から病院に行くことで「人身事故」に切り替わる可能性もあります。その際は再度警察による実況見分などが必要になり、加点や反則金が課されることもあるため注意しましょう。
例:安全運転義務違反による違反点数2点と反則金9,000円(普通車の場合)など。
まとめ:軽微な追突でも数万円〜数十万円の賠償に
軽度な追突事故であっても、後から治療費や慰謝料が加算されることで、総額10〜30万円程度の賠償になる可能性があります。ただし、任意保険を活用すれば自己負担はほとんど発生せず、トラブルも回避できます。
今後の対応としては、相手の方の体調の変化に注意しつつ、保険会社との連携を密にとることが大切です。不安な場合は、事故対応に詳しい専門家や弁護士に相談するのも一つの選択肢です。