大学生でアルバイト収入がある方でも、急な出費や生活費の都合で消費者金融の利用を検討するケースは少なくありません。しかし、金融機関からお金を借りるには「総量規制」や借入件数の制限など、知っておくべきルールが存在します。この記事では、大学生が消費者金融を利用する際の基本知識と注意点をわかりやすく解説します。
総量規制とは?借りられる金額の基本ルール
「総量規制」は貸金業法に基づくルールで、年収の3分の1を超える借入を原則禁止しています。例えば年収が105万円なら、最大で借りられる額は35万円までとなります。
この規制は、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど「貸金業者」からの借入に適用されるため、銀行カードローンは例外となるケースがありますが、審査はより厳しいです。
2社目からの借入はどうなる?
1社目で借りた金額に関係なく、「総量」=すべての貸金業者からの合計金額で判断されます。たとえば年収105万円で1社目から20万円借りている場合、2社目で借りられる上限は15万円程度になります。
つまり、2社目で「上限30万円まで借りられる」と審査結果が出ても、すでに1社目で20万円の借入がある場合、実際に借りられるのは15万円までという制限がかかります。
同時に複数社から借りることは可能?
理論的には可能ですが、信用情報機関に照会された時点で他社での借入情報がすぐに共有されます。そのため、「1社目と2社目を同時に申し込み、一気に合計40万円を借りる」といったことは現実的には非常に難しいです。
金融機関は審査時に「現在の借入状況」も含めて評価するため、1社目で借りた直後に2社目が審査を始めても、既に20万円借りている情報が共有されてしまいます。
大学生が注意すべきポイント
扶養の範囲内で働いている学生の場合、年収は103万円以下に抑えるケースが多く、借入上限も当然低くなります。また、未成年は法律上契約できないため、18歳以上であっても多くの金融機関では20歳未満には貸し出しを行っていません。
さらに、複数社からの借入は信用スコアを下げる原因となり、将来的なローン審査(奨学金、車、住宅など)にも影響を及ぼすリスクがあります。
信用情報機関の仕組みも理解しよう
消費者金融はCICやJICCなどの信用情報機関を利用して、申込者の借入・返済履歴を確認します。これにより、他社での借入残高や返済の遅延もすべて把握されます。
一度登録された情報は最長5年間残り、借入額が少なくても延滞履歴などがあると、審査に通らなくなる可能性があります。
まとめ:無理な借入は将来にリスクを残す
消費者金融から借入を考える大学生は、「総量規制」の仕組みと、自分の年収に対する限度額をしっかり理解しておくことが大切です。
借入額が少なくても、返済能力や信用情報に影響する要素は多く存在します。短期的な資金繰りではなく、将来を見据えて慎重な判断を心がけましょう。