ネットで交流のあった人物が逮捕・勾留されたと知り、面会や差し入れをしたいと考える方もいるでしょう。しかし相手の本名がわからない場合、手続きにはどのような制限があるのでしょうか。本記事では、ネット上の知人への支援を考える際の現実的な対応策を解説します。
勾留中の面会や差し入れには「本名」が必須
警察署や拘置所において、面会や差し入れを行うためには被疑者(本人)の本名が必要です。これは身柄の特定や本人確認のため、制度上避けられません。
ハンドルネーム(HN)やネット上のニックネームのみでは、警察側も該当者を特定することができないため、原則として面会・差し入れは不可となります。
罪状や勾留先がわかっていても難しい理由
仮に勾留されている警察署や罪状(容疑)がわかっていたとしても、その情報だけでは警察はプライバシーや人権保護の観点から情報提供できません。
特に逮捕・勾留中の段階では「捜査中の情報」として取り扱われ、家族や弁護士以外の第三者が情報を得るのは極めて困難です。
例として、実際にSNS友達の逮捕を知ったユーザーが差し入れを試みたケースでは、「本名が不明のため受付不可」と断られた報告もあります。
可能性を広げるための現実的な方法
・本人の過去の発言(本名・出身校・勤務先など)がSNSやチャット内に記載されていないか確認
・共通のネット知人やフォロワーなどに連絡し、本名を知っている人がいないか確認
・ネット上で報道されていれば、その氏名が公開されている可能性もあるためニュース記事を検索
ただし、どの方法も無理に個人情報を収集することはプライバシー侵害になる可能性があるため、慎重に進める必要があります。
第三者としての支援のあり方
どうしても支援の気持ちを届けたい場合は、本人の釈放後にSNS等で連絡を取り直すことを待つ、あるいは弁護人を通じた手紙や伝言が可能かを問い合わせてみるのも一案です。
また、本人の希望があれば、正式に連絡先を伝えてもらい、今後の支援に繋げることもできます。
まとめ
・勾留中の面会・差し入れには本人の本名が必須。ハンドルネームでは不可。
・罪状や警察署が分かっていても、第三者には情報開示されない。
・支援したい場合は、本人や関係者からの連絡を待つか、弁護士経由の支援が現実的。
善意の気持ちは大切ですが、制度上の制約を理解し、無理のない形で寄り添う姿勢が求められます。