自己破産は2回目でも可能?生活保護受給者や精神障がい者のケースをわかりやすく解説

経済的に困窮し、借金を返済できなくなったときに最後の手段として選ばれるのが自己破産です。しかし、一度免責を受けた人が再び自己破産できるのか、特に生活保護受給者や精神障がいを持つ人の場合には複雑な事情が絡みます。今回は、過去に自己破産を経験した人が再び免責を受けられるのか、そしてその条件や注意点について詳しく解説します。

自己破産は2回目もできるのか?

自己破産は原則として7年以内に2回目の免責を受けることはできないとされています。つまり、前回の免責決定から7年以上が経過していなければ、再度自己破産を申し立てることはできますが、免責(借金の帳消し)が認められない可能性があります。

ただし、免責不許可事由がある場合でも、裁判所の裁量によって「裁量免責」が認められることもあります。これは、本人の事情(精神的疾患、生活状況など)を総合的に判断して、特別に免責を許可する制度です。

精神障がい者や生活保護受給者の特別な配慮

精神障がいを抱えていたり、生活保護を受給しているような社会的弱者には、法的な手続きにおいて一定の配慮がなされることがあります。意思能力や責任能力の程度が限定的である場合には、そもそも責任を負わせることが妥当でないと判断されるケースもあります。

また、生活保護を受けている場合には、そもそも返済能力がないと認定されやすいため、破産手続自体は通過しやすい傾向にあります。ただし、免責の判断はまた別で、前回の破産からの年数や放火などの重大な過失が問われることもあります。

放火や重大な過失がある場合のリスク

今回のケースのように、放火などの刑事事件に関わる損害賠償がある場合、それが免責の対象となるかは慎重に判断されます。破産法252条第1項第10号により、「故意または重大な過失による不法行為による損害賠償請求権」は、原則として免責の対象外です。

つまり、精神的な事情によって刑事責任が限定された場合であっても、損害賠償責任として580万円の請求がなされる可能性は十分あります。その場合は、免責が認められないリスクが高まります。

再度の自己破産手続きを進める際の注意点

以下のような点に注意しながら、再度の自己破産に向けて準備を進めることが重要です。

  • 過去の免責から7年以上経過しているかを確認
  • 精神障がいに関する診断書や医師の所見を準備
  • 生活保護の受給状況や資産状況を詳しく提出
  • 弁護士に相談し、裁量免責が可能か確認

特に精神障がいや生活保護といった背景がある場合は、法テラスなどを活用して、専門家のサポートを受けることが重要です。

放火事件と自己破産の交差点:実例の理解

実際に、過去に放火による損害賠償を抱えた人が破産を申し立て、免責を受けられなかった例もあります。特に火災による第三者への損害は、被害額が高額になりやすく、裁判所も「社会的な悪影響」を重視する傾向があります。

ただし、本人に重い精神障がいがあり、自身で責任を取れる状態にないと医学的に証明された場合、裁判所が柔軟な判断をする余地もあります。弁護士による主張や証拠の提出が鍵になります。

まとめ:二度目の自己破産は可能だが、状況によって結果は大きく異なる

・自己破産は2回目でも可能だが、7年以内は原則免責されない
・精神障がいや生活保護の状況によって裁量免責が認められる可能性あり
・放火による損害賠償は免責されにくいため、専門家の支援が不可欠
・早めに弁護士に相談し、必要な書類や証拠を整えることが重要

困難なケースこそ、法的知識と専門家の力を借りて進めることが大切です。無料相談窓口や法テラスなどを利用して、できるだけ早く対応を始めましょう。

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