小銭を拾ったとき交番に届けるべき?落とし主が現れた場合の取り扱いや注意点

道端で小銭を見つけたとき、「交番に届けたほうがいいのか、それとも黙って持ち帰ってもいいのか」と迷った経験はありませんか?特に金額が少額の場合、届け出が煩雑に思えて躊躇する方も多いかもしれません。しかし、遺失物法という法律が存在し、その取り扱いには明確なルールが定められています。

小銭も法律上の「遺失物」に該当する

道端に落ちている100円玉や500円玉といった「小銭」であっても、法律上は「遺失物」として扱われます。つまり、見つけた人には遺失物法に基づいて警察などの窓口に届ける義務があります。

実際に、1円玉1枚でも届けるのが「法的には正しい行動」であり、金額の多寡ではなく、「他人の物を勝手に取らない」という考え方が法の根幹にあります。

落とし主はどうやって証明できる?

小銭のような特徴のない物の場合、落とした人が交番で証明するのはたしかに難しいです。しかし、警察では「日時」「場所」「金種や枚数」などを照合し、合理的な説明がつけば返還されることもあります。

例えば「7月7日の午後2時ごろ、◯◯公園のベンチ近くで500円玉を落とした」という申し出があった場合、届け出と一致すれば警察が遺失物返還の対象として判断することがあります。

拾った人にはどのような権利があるのか?

拾得物として届け出た場合、原則3ヶ月間落とし主が現れなければ、拾得者がその物を取得する権利が発生します。ただし、現金については一定の条件下で「市区町村に帰属」する場合もあります。

また、拾得者には「報労金を受け取る権利」もあります。これは落とし主が現れて物が戻った場合に、5〜20%程度の報酬を請求できる制度です。

届け出る際の手続きと注意点

交番に届ける際は、できるだけ「発見場所・時間・金額」を明確に伝えましょう。氏名や連絡先の記入が必要ですが、個人情報が落とし主に渡ることは基本的にありませんので安心です。

ただし、1円〜数百円程度の少額については、警察の判断により「拾得物件預り証」が発行されずに即時に市の所有物として処理される場合もあります。これは運用上の簡略化の一環です。

小銭でも「持ち帰る」のは法律違反になる可能性も

遺失物法では、「遺失物を占有して自分の物にすること」は「遺失物横領」に該当し、刑法254条により処罰の対象となります。金額がいくらであっても、法律上の「犯罪」に問われる可能性があるのです。

特に近年は防犯カメラの精度が向上しており、「拾っただけ」でも映像記録が残っていれば、後から調査・追及されるケースもゼロではありません。

まとめ:たとえ小銭でも、道徳と法律を意識した対応を

小さな金額でも、拾得物は「誰かの大切な所有物」であることに変わりはありません。拾ったら交番へ届けることが、法的にも道義的にも正しい行動です。

「証明できないから意味がない」とは考えず、適切な届け出を行うことで、落とし主の手元に戻る可能性も生まれ、自分自身も法的リスクから守られることになります。

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