小さな十字路で歩きスマホをしながら横断中、曲がってきた車に轢かれそうになった。そんな危険な経験に、「自分が悪かったのか?」「車は止まるべきじゃないのか?」と疑問を持つ人は少なくありません。本記事では、道路交通法の観点から歩行者と車の優先関係、そして“歩きスマホ”の影響について整理して解説します。
🚶♂️歩行者は基本的に“優先”される存在
日本の道路交通法では、車両は交差点で横断している歩行者に対して一時停止し、進行を妨げてはならないと明記されています(道路交通法第38条)。
つまり、たとえ歩きスマホをしていても、歩行者が明確に先に道路に入り横断している場合、車両は必ず一時停止しなければなりません。
📵歩きスマホは危険だが“過失”とは限らない
歩きスマホは安全意識の欠如とされ、事故が発生した場合の過失割合に影響を与える可能性がありますが、法的に“違法”とまでは言えません。
実際の裁判や事故検証では、「歩きスマホ=過失あり」と即判断されることは少なく、むしろ車側の停止義務違反のほうが重視される傾向があります。
🚗車が優先になるケースとは?
ただし、以下のようなケースでは車側が優先と判断されることもあります。
- 歩行者が信号無視で飛び出してきた場合
- 車両がすでに曲がり始めていた後に歩行者が横断を開始した場合
- 歩行者が急に方向を変えるなど、予見困難な動きをした場合
今回のように、歩行者が交差点に先に入っていた場合は、車側の一時停止義務が優先されると考えられます。
⚖️事故になっていたら過失割合はどうなる?
仮に接触事故が発生していた場合、通常は歩行者0〜20%、車側80〜100%の過失割合になることが多いです(民事裁判実務の傾向より)。
歩きスマホで周囲確認が不十分だったと判断されると、歩行者側にも一部過失が割り当てられる可能性はありますが、主たる責任は車側にあるのが原則です。
💡安心して渡るためにできること
・信号のない交差点でも必ず左右を目視確認
・歩きスマホは交差点付近では絶対にやめる
・ドライバーの視界・ブレーキ距離を意識した動きを心がける
自分が正しくても相手が違反すれば事故は起きるので、最終的な自衛意識が事故回避の鍵になります。
✅まとめ:歩行者優先は基本、でも油断は禁物
- 歩行者が先に渡っていれば車は必ず停止すべき義務がある
- 歩きスマホは法的に違反ではないが、事故時に過失を問われる可能性あり
- 危険を避けるには、信号の有無にかかわらず注意して横断を
法律的には歩行者が優先されますが、事故は一瞬です。どちらが悪いか以前に、自分の身を守る行動を意識しましょう。