交通事故に遭い、お子様とともに受傷してしまった場合、治療費の支払いや保険対応に不安を感じるのは当然です。特に生活に余裕がないシングルマザーの立場であれば、毎回の立替えや保険会社との交渉が大きな負担になるでしょう。本記事では、実際に寄せられた体験に近い状況をもとに、医療費支払の仕組みや対処法について詳しく解説します。
加害者側100%の過失でも医療費がすぐに出ないのはなぜ?
交通事故の場合、「10:0(過失割合)」であっても、加害者側の保険会社がすぐに治療費を立替えてくれるとは限りません。なぜなら、相手保険会社は「本当に事故との因果関係があるか」「治療内容は妥当か」などを精査してから支払いを決定するためです。
そのため、一時的に被害者側が治療費を立替えるよう求められることがあり、書類提出・確認後の支払いとなります。
子どもが受けた外傷への対応はどうなる?
小学生の娘さんが頭部外傷・打撲の診断を受けたとのことですが、これは明らかに人身事故として認定されるべきケースです。物損事故から人身事故へ切り替えた対応は正しく、診断書を提出することで、相手保険会社は医療費の支払対象と認める流れになります。
診断書の写しや治療明細書を相手保険会社に提出し、因果関係や必要性を認定してもらえば、後日精算が可能です。
医療費の立替えが厳しいときの対処法
一時的な負担が厳しい場合は、次のような方法があります。
- 健康保険を利用する:事故でも健康保険で診療を受けることは可能です(ただし第三者行為届けが必要)
- 自賠責保険の仮渡金制度:被害者1名につき最大40万円まで仮払いしてもらえる制度があります
- 病院と分割払いや後日請求の相談:事情を説明すれば対応してくれる医療機関も存在します
特に仮渡金制度は、シングルマザーなど収入に制限がある方には有効な選択肢です。
相手の保険会社に伝えるべきこと
現時点でセコム損保から「支払いは判断後」と言われている場合でも、以下のことを丁寧に伝えることで対応が前倒しになる可能性があります。
- 医療費が高額であり、生活が困難であること
- お子様の受診が継続中であること
- 診断書・領収書はすでに提出済または準備中であること
また、「自賠責保険に請求したいので、必要書類を出してほしい」と申し出れば、個別対応してもらえるケースもあります。
ご自身の保険会社はなぜ動けないのか
ご自身の加入している自動車保険が「対人賠償のみ」だったり、「過失割合がない」状況では、保険会社が代わりに交渉する「示談代行」ができないことがあります。そのため、「相手の動きを見て判断」という対応になるわけです。
その場合でも、ご自身が加入している保険の担当者に「相手保険会社と話が進まないのでアドバイスがほしい」と相談してみてください。法律相談窓口を紹介してくれることもあります。
まとめ:早期対応のために主張すべきポイント
交通事故後の治療費は、加害者側100%の過失であってもすぐに出ないことがありますが、必要書類をそろえて速やかに提出し、立替えが困難である事情を明確に伝えることで柔軟な対応が受けられる可能性があります。
特にお子様が被害に遭われたケースでは、迅速な医療対応と精神的なケアが重要ですので、無理をせず、保険会社や医療機関と協力して負担軽減の方法を模索しましょう。