子どもが突然交通事故に遭ったとき、保護者として冷静な対応を取るのは非常に難しいものです。しかし、正しい手続きを知っておくことで、その後の治療や補償において不利にならないための備えができます。この記事では、実際にお子さんが交通事故に遭い入院・手術が必要となったケースを想定し、事故後に必要な対応と手続きの流れをわかりやすく解説します。
事故発生時の初動対応
まず最初に行うべきことは、命を守るための応急処置と119番への通報です。すでに救急搬送されている場合、病院での治療に専念しましょう。その後、可能な範囲で警察への通報を行い、「交通事故証明書」の発行に必要な処理を依頼します。
事故直後は相手の氏名、住所、電話番号、車両ナンバー、保険会社名（任意・自賠責の両方）を記録しておくことが重要です。これらの情報が、のちの損害賠償請求や保険手続きに必要になります。
交通事故証明書の取得とその重要性
交通事故証明書は、事故が発生した事実を証明する公式書類で、保険会社や裁判などで必ず必要になる重要な書類です。自動車安全運転センターに申請することで取得できます。事故後、病院での治療が落ち着いたら、取得の準備をしておきましょう。
証明書の取得申請はオンライン、または郵送で可能です。必要な記載内容は「人身事故」か「物損事故」かで異なるため、警察での処理区分を確認しておきましょう。
治療費や通院費は誰が負担するのか
加害者が任意保険に加入している場合は、その保険会社が治療費や入院費、通院交通費などを負担することになります。まずは相手方の保険会社に連絡を取り、被害者請求または加害者請求の手続きを開始してもらいましょう。
また、相手に過失がある場合、自賠責保険から最大120万円までの補償が支払われます。入院費だけでなく、通院時の交通費や付き添い看護にかかった費用なども対象となります。
慰謝料の請求とその目安
交通事故により骨折や手術を伴う怪我を負った場合、慰謝料を請求することが可能です。通院慰謝料の目安は、日額4,200円程度で算出されることが多く、これに治療期間や後遺症の有無などを考慮して加算されます。
たとえば、入院が10日間、通院が3ヶ月程度であれば、おおよそ数十万円規模の慰謝料が認定されることもあります。弁護士に相談することで、より適正な金額の請求が可能になるケースもあります。
リハビリや学校生活への影響と配慮
事故による怪我が回復しても、長期間のリハビリが必要になることもあります。その場合、学校との連携も重要になります。特別支援学級に在籍しているお子さんの場合、担任やコーディネーターとの情報共有を密にし、安心して復学できる体制を整えていきましょう。
また、PTAやスクールカウンセラーの力を借りることも有効です。精神的ショックが長引く場合には、専門的な支援を受けることも検討しましょう。
弁護士に相談すべきタイミングとは
相手の保険会社との示談交渉がスムーズにいかない場合や、慰謝料の額に納得がいかないときには、弁護士に相談するのが賢明です。特にお子さんが被害者である場合は、将来にわたる影響も考慮されるため、法的なアドバイスは非常に有効です。
多くの弁護士事務所では、初回相談無料で交通事故に関する相談を受け付けているので、積極的に活用しましょう。
まとめ：お子さんの安心と補償のために正しい手続きを
子どもの事故は突然起こり、保護者は気が動転してしまうものです。しかし、冷静に対応し、必要な情報を集めて手続きを進めることが、後々のトラブル回避や適切な補償につながります。事故の直後から、交通事故証明の取得、治療費の請求、慰謝料交渉、リハビリ支援までの一連の流れを把握し、必要に応じて専門家の力を借りながら進めましょう。