建物の壁に車が衝突し、損傷を受けた場合、初めての経験では何から手をつければよいのか戸惑うこともあるでしょう。この記事では、警察の立会いが終わった後、所有者としてどのような対応が必要か、保険会社とのやり取りや修理費用の負担について丁寧に解説します。
まず行うべき初動対応
警察の現場検証が終わった段階で、事故の記録は「物損事故」として処理されていることが多いです。この時点で、事故証明書の取得が可能になります。これは後に保険請求時の重要書類となるため、必ず取得しておきましょう。
また、壁の損傷状況を写真で記録しておくことも大切です。修理費用の見積もりと照合するための資料になります。
加害者の保険会社との連絡
通常、加害者側（車の運転者）が保険会社に事故を報告し、その保険会社からあなたに連絡が入ります。連絡を受けたら、損害の内容や修理の方針について説明し、修理業者の選定や見積もりを進めるよう依頼します。
保険会社によっては、指定の修理業者を紹介してくれる場合もありますが、所有者側で選んでも問題はありません。
修理費用は誰が負担する？
今回のように車が建物に衝突したケースでは、加害者側が加入する対物賠償保険から修理費用が支払われます。したがって、所有者が修理費用を立て替える必要は基本的にありません。
ただし、保険処理には見積もり提出・修理内容の確認・支払い手続きなどに多少の時間がかかるため、進捗状況はこまめに確認しましょう。
所有者が行う書類手続きとは
所有者側に大きな書類負担はありませんが、以下のような対応を求められることがあります。
- 事故証明書の取得と提出
- 損傷箇所の写真送付
- 修理見積書の作成・提出
- 修理完了後の請求書の提出
これらの書類は、保険会社から案内される内容に沿って準備すれば問題ありません。専門的な手続きは保険会社が主導して進めてくれるため、基本的には案内に従えば大丈夫です。
修理期間中の補償はある？
建物の壁であっても、損傷の程度によっては日常生活や業務に支障が出ることもあります。たとえば、店舗で看板や壁の破損によって営業が一部制限されるような場合、逸失利益（営業補償）を請求できる可能性もあります。
こうした特別な補償を希望する場合は、詳細を保険会社に説明し、別途請求を検討しましょう。
まとめ：保険会社に任せつつ、適切な準備を
車が建物にぶつかってしまった場合、被害者である建物所有者は、基本的に保険会社の指示に従いながら修理対応を進めれば問題ありません。事故証明書の取得や写真記録、見積書の提出など、最低限の準備をしておけば、書類対応の負担も限定的です。
相手の保険会社とのやり取りは初めてだと不安もあるかもしれませんが、丁寧に説明を求め、納得のいく形で修理や補償を進めましょう。