事故や病気により後遺障害を負った場合、日常生活に支障が出ることがあります。そんなとき、介護認定などの公的な支援を受けられる可能性があります。ここでは、後遺障害によって利用できる制度や申請方法をわかりやすく解説します。
■ 介護保険制度とは？
介護保険制度は、加齢や疾病、障害により日常生活に支援が必要な方を対象とした公的制度です。原則として65歳以上が対象ですが、40〜64歳でも特定疾病による後遺症があれば申請可能です。
たとえば、交通事故で脊髄を損傷し、下半身に麻痺が残った場合、要介護認定を受けることでヘルパー派遣や福祉用具レンタルなどが利用できます。
■ 要介護認定の申請手続き
介護保険サービスを受けるには、市区町村の介護保険担当窓口で「要介護認定」の申請を行う必要があります。本人または家族が申請できます。
申請後、市区町村の職員や委託業者による「訪問調査」が行われ、さらに主治医の意見書などを基に介護度（要支援1〜要介護5）が判定されます。
■ 身体障害者手帳の取得も検討を
後遺障害の内容によっては、身体障害者手帳の取得も可能です。たとえば視覚障害、四肢の麻痺、聴覚障害などが該当します。手帳の等級によって、交通機関の割引や税制優遇、補装具の給付などさまざまな支援を受けることができます。
申請は市区町村の福祉課で行い、医師の診断書が必要です。
■ 民間保険・損害賠償の対象にも
後遺障害は、加入している生命保険や損害保険の補償対象になる場合があります。特に交通事故の場合、自賠責保険や任意保険による「後遺障害慰謝料」や「逸失利益」などの損害賠償請求が可能です。
等級によって支給額が大きく変わるため、医師の診断内容や保険会社の認定に注意が必要です。
■ 精神的ケアと相談窓口
後遺障害によって生活が一変し、精神的なショックや不安を感じる方も少なくありません。そんなときは、自治体の福祉相談窓口や、医療ソーシャルワーカー、NPO法人の無料相談などを活用して支援を受けましょう。
たとえば「地域包括支援センター」では、高齢者や障害者、その家族に対して総合的な支援を提供しています。
■ まとめ：後遺障害後の生活を支える制度は多岐にわたる
後遺障害を負った場合、介護保険制度の要介護認定、身体障害者手帳の取得、各種保険からの補償など、多くの支援制度が用意されています。手続きが煩雑に思えるかもしれませんが、行政窓口や専門家の力を借りれば、必要なサポートを確実に受けることができます。
不安や疑問を感じたら、まずは自治体の窓口に相談してみましょう。早めの対応が、より良い生活再建の第一歩になります。