ペットショップの”安心パック”は法律違反?セット販売と表示義務の落とし穴

ペットショップで犬や猫を購入しようとしたとき、「生体価格」以外に“安心パック”といった費用が追加されるケースが多く見られます。中には、表示価格より大幅に高くなることも。これって本当に法的に問題はないのでしょうか?消費者として知っておきたいルールを詳しく解説します。

生体価格と安心パックとは何か

多くのペットショップでは、子犬や子猫の販売価格として「生体価格」のみを大きく表示し、実際にはそれに加えて“安心パック”や“サポートプラン”などの費用が必須で追加されます。

安心パックの内容はショップによって異なり、ワクチン接種費用・マイクロチップ・健康診断・保険加入・相談サポートなどが含まれていることが一般的です。費用は3万円~10万円以上と幅広く、購入時に合計額が倍以上になることもあります。

表示価格と実際の価格が異なるのは違法?

このようなセット販売で「生体価格だけ」を目立たせて表示し、総額が明確でない場合、景品表示法に違反する可能性があります。

景品表示法では、不当表示(優良誤認表示・有利誤認表示)を禁止しており、たとえば「10万円」と表示されていても、実際には「安心パック込みで20万円以上」という場合、誤認を招くとして問題視されることがあります(消費者庁のガイドラインにも類似事例あり)。

安心パックは本当に“オプション”なのか

ショップによっては、「安心パックは任意」と説明することもありますが、実際には「購入するなら加入必須」という実質的な抱き合わせ販売になっていることが少なくありません。

このような形式は、消費者契約法や独占禁止法上の問題にも発展し得ます。任意であると偽って強制した場合は、説明義務違反や不当な勧誘とみなされる可能性も。

実際のトラブル事例と行政の見解

消費生活センターには、ペット購入に関する相談が毎年多く寄せられています。特に「料金説明がなかった」「断ったのに安心パックを付けられた」などの声が多数。

2021年には、あるペットショップが消費者庁から景表法違反の措置命令を受けた事例も報告されています(料金表示の不当表示が原因)[参照]。

消費者ができる対策とは

  • 事前に総額費用の確認をし、書面やスクリーンショットで残す
  • 安心パックが任意か義務か、明確に尋ねる
  • 疑問がある場合は契約を急がず、消費生活センター(188)に相談
  • 強引な勧誘があれば、その場で契約せず冷静に判断

また、契約時の説明内容と実際が違った場合には、消費者契約法に基づき取り消し可能なケースもあります。

まとめ

ペットショップでの価格表示において、生体価格以外の費用が強制的に追加される場合は、法的な問題が生じる可能性があります。安心パックが実質強制であれば、景品表示法や消費者契約法に抵触する恐れも。

ペットの購入は大きな出費と責任が伴うもの。表示価格や契約条件は事前によく確認し、少しでも不明瞭な点があれば、その場で契約せず一度持ち帰る勇気も必要です。

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