夜の時間帯に突然訪問し、強引に話を続けて帰らない――そんな不審な訪問セールスに不安や不快感を覚えた方は少なくありません。この記事では、正体不明の営業マンの特徴や目的、違法性の有無、そして今後どう対応すべきかを法律の視点も交えてわかりやすく解説します。
■こうした訪問販売は何を売っているのか?
「要件をはっきり言わない」「上司が後から出てくる」「資産や貯金額を執拗に聞いてくる」――このような特徴がある訪問販売は、多くの場合不動産関連の商材、特にワンルームマンション投資の営業である可能性が高いです。
こうした業者は最初に「投資ではない」「不動産ではない」と否定しながら、相手の資産状況を把握してから、後に物件投資などの話を切り出すケースが典型的です。
■セールスマンが要件を隠して帰らないのは違法?
訪問販売については「特定商取引法」で厳しくルールが定められており、居住者が「帰ってほしい」と明確に意思表示しているにも関わらず居座るのは違法です。
また、営業目的であることを隠しながら情報を引き出す行為は「不実告知」「事実の不告知」にあたる可能性があり、これも法的に問題となります(特定商取引法第6条、第9条など)。
■長時間居座るセールスは「住居侵入罪」に該当することも
訪問販売員が、玄関口を離れず長時間にわたって帰らない場合、刑法第130条の住居侵入罪や不退去罪に該当することがあります。
たとえ物理的に家に上がっていなくても、「帰れと言われても玄関前に居座り続ける行為」は、住人の平穏を害する行為と判断されうるのです。
■正体不明な業者への正しい対処法
- 玄関を開けない:まずインターホン越しに対応し、名乗らない業者や曖昧な話をする者は即拒否する。
- 録音・録画:しつこい場合はスマホなどで録音・録画を行い「記録しています」と伝える。
- 退去命令を明確に伝える:「営業は結構です。帰ってください」と繰り返すことが大切。
- 警察へ通報:物理的に退去しない場合は110番通報。警察は不退去・迷惑行為として対処可能。
営業マンの言葉に罪悪感を持つ必要はありません。「要件を聞かないとお互いに損」などという言い回しは、典型的な心理的誘導です。
■法的対抗策:事業者の情報を特定できれば行政対応も
名刺や会社名などを控えている場合は、消費生活センター(188番)や国民生活センターに相談することで、行政指導や処分の対象になる可能性があります。
実際に勧誘を受けた際の状況を詳細に記録し、必要に応じて弁護士へ相談することで損害賠償請求なども視野に入ります。
■まとめ:要件を言わず居座る営業は法的にNG。毅然とした対応を
今回のような訪問セールスは、営業内容が不透明なうえ、特定商取引法や刑法に抵触する行為が含まれている可能性があります。
今後は、インターホン越しで要件を明確にしない場合は即拒否、録音・通報・相談を組み合わせて、自分と家族の安心を守りましょう。強引なセールスに対しては「遠慮せず断る」ことが最大の防衛策です。