交通事故は突然起こるものであり、歩行中に車と接触してしまった場合、怪我の有無に関わらず大きな精神的ダメージや不安を感じるものです。特に「示談で済ませたいけれど、慰謝料はどれくらい請求できるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、歩行中に自動車のサイドミラーに接触したような軽微な事故における慰謝料相場や示談の注意点について解説します。
慰謝料の相場:怪我の程度で金額は大きく変わる
慰謝料とは、事故によって受けた精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金です。軽い打撲や擦り傷程度で通院が1日~数日のみであれば、数万円〜10万円前後が相場となります。
例えば、以下のような事例が参考になります。
- 通院1回のみ(治療日数1日):1〜2万円
- 通院3日程度:3〜5万円
- 1週間以上通院:5〜10万円以上
ただし、通院日数や治療の必要性が確認できる診断書がある場合に限り、正確な慰謝料の請求が可能です。
示談を進める際のポイントと注意点
加害者と示談で済ませたい場合は、次のような点に注意する必要があります。
- 必ず診断書を取得する:軽傷でも病院を受診し、診断書をもらうことが慰謝料算出の基本です。
- 示談書は文書化する:口約束は後々のトラブルの元。慰謝料の金額や支払い方法などを明記した文書を作成しましょう。
- 示談成立前に全額支払わない:示談成立後に支払うことが原則です。合意がない状態で受け取ると、後から変更が困難になることがあります。
特に車のドライバーが任意保険に加入している場合は、保険会社が対応するケースもあるため、必ず連絡を入れてもらいましょう。
加害者側の誠意が重要な要素に
慰謝料の金額は法的な基準だけでなく、加害者の態度や誠意も金額交渉に影響します。すぐに謝罪があったか、治療費の立替などの申し出があったかなども含めて交渉材料になります。
逆に誠意が感じられず、慰謝料の提示が極端に低い場合には、第三者(弁護士など)に相談することで適正な補償を受けられる可能性が高まります。
警察への届出と診断書提出は後々重要
事故の際、怪我がある場合は必ず警察に届け出を出し、物損ではなく「人身事故」として処理してもらうことで、保険や慰謝料請求に有利になります。診断書のコピーを警察に提出することで、人身事故扱いに切り替えることも可能です。
人身事故として扱われた場合、加害者側には行政処分(違反点数・反則金等)も発生するため、交渉の前提として相手も真剣に対応してくることが期待できます。
まとめ:適正な対応で納得できる示談を目指す
歩行中に車のミラーに接触してしまった場合でも、身体的・精神的苦痛を受けていれば慰謝料を請求する正当な権利があります。大切なのは、必ず診察を受けて記録を残すこと、示談内容を明文化すること、そして無理に納得せず必要であれば専門家に相談することです。
小さな事故でも、正しい対応をすることで納得できる解決につながります。