太陽光パネル契約のクーリングオフ後に『人件費請求』された?支払義務の有無と正しい対応法

太陽光発電の訪問販売契約後、「クーリングオフ期間外でも違約金なしで解約できる」と言われて安心していたら、後になって『施行店の人件費』を請求された——このような事例は消費生活センターにも多数報告されています。本記事では、その支払い義務の有無や対応方法を、法的な観点から解説します。

クーリングオフ期間外の解約=人件費の支払い義務がある?

結論から言えば、契約書に「人件費請求に関する明記」がなく、説明も受けていなかった場合、支払義務は原則ありません

訪問販売においては「特定商取引法」が適用され、クーリングオフ期間(8日間)を過ぎても、契約内容に不備や重要事項の不説明がある場合は、『消費者契約法』によって契約自体の取消しや無効主張が可能です。

重要説明義務と契約書記載がなければ無効主張が可能

以下のような要件を満たしていれば、請求された「人件費」等の支払義務を否定できる可能性があります。

  • 契約書に「人件費請求に関する条項」が存在しない
  • 契約時に「人件費が発生する」との説明がなかった
  • 解約時のやりとりで「費用は発生しない」と口頭で確認済み
  • 契約そのものに勧誘の不当表示・誤認があった(虚偽説明など)

このような場合は「不実告知」「不利益事実の不告知」として、消費者契約法第4条により契約の一部または全部を取り消すことが可能です。

よくある事業者の詭弁と対処法

実際のトラブルでは、以下のような発言をされることがあります。

  • 「クーリングオフ期間を過ぎたから当然に請求できる」
  • 「契約条文に書いてなくても業界の慣習だから払うべき」
  • 「契約解除できたのは特別対応だから金額は発生する」

これらは法的根拠がない理屈であることが多く、冷静に対処する必要があります。必ず「契約書の写し」「録音・メモ」「メール等の履歴」を保管してください。

消費生活センターへの相談は正しい判断

既に消費生活センターへ相談している場合、今後の対応としては。

  • センターの助言に基づき相手に正式な書面で回答を求める
  • 書面や録音をもとに「支払義務がないこと」を根拠付きで主張
  • 相手が譲らない場合は国民生活センター経由でADR(裁判外紛争解決)を申立

また、弁護士を通じた通知文の送付(内容証明郵便)も相手の主張を牽制する有効な手段です。

まとめ:契約書にない人件費請求は拒否できる可能性大。記録を残して冷静に対応を

太陽光パネルの訪問販売における「人件費請求」は、契約書や説明に明確な記載がなければ、支払義務は基本的に発生しません。不安を煽るような言い回しに惑わされず、法的根拠をもとに行動することが大切です。

記録・証拠を確保しつつ、必要に応じて消費者センターや弁護士の支援を受けて対応を進めましょう。

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