都市部での生活では、歩行者と自転車の接触トラブルが後を絶ちません。中でも後方から突然ぶつかられ、加害者が逃走する“当て逃げ”は、被害者に肉体的・精神的なダメージを与える深刻な問題です。本記事では、そうした自転車当て逃げに遭遇した場合の適切な対処方法と、気持ちの整理の仕方について、実例を交えながら紹介します。
自転車による当て逃げの実態と被害例
大阪市内をはじめとする大都市圏では、自転車利用者が多く、歩行者との接触事故も多発しています。特に通勤・通学時間帯にはスピードを出して走る自転車も多く、後方確認を怠ったり、狭い歩道を強引に通過した結果、接触事故に繋がるケースがあります。
ある女性は信号前で立ち止まっていたところ、後方から来た電動アシスト付き自転車にぶつけられ、子ども用チャイルドシートに衝撃を受けたにもかかわらず、加害者は謝罪もせず走り去ったといいます。
その場でできる初動対応と記録の取り方
もし当て逃げに遭遇してしまったら、まず安全を確保し、自身や周囲の怪我の有無を確認しましょう。軽微な接触でも、後から痛みや不調が出る場合があります。
可能であれば、加害者の特徴・服装・自転車の色・方向などをすぐにメモするか、スマートフォンで録音・録画するのが有効です。また、通行人に目撃証言をお願いするのも大切です。
警察への相談は“被害届”か“相談記録”を
怪我の有無にかかわらず、交番や警察署に連絡し、“自転車による当て逃げ”として記録してもらいましょう。被害届として正式に受理されるには、加害者の特定要素（ナンバー・顔など）が必要ですが、それが難しい場合でも“相談記録”として残してもらうことが可能です。
後日、同じ加害者が別件で検挙された場合など、証拠の一つになることがあります。また、監視カメラの映像が残っている可能性もあるため、現場周辺の店舗に確認するのも選択肢の一つです。
精神的なショックを受けたときの気持ちの整理
自転車でぶつかられたにもかかわらず、謝罪もされず逃げられるという行為は、怒りや虚しさを伴います。こうしたときには、「起きたことは仕方ない」と事実を受け止めつつ、自分の感情に蓋をしないことが大切です。
身近な人に話す、日記に書き出す、SNSや相談掲示板で匿名投稿するなど、吐き出すことで気持ちが整理されていきます。また、地域の無料法律相談や区役所の生活相談窓口で話を聞いてもらうのも良い手段です。
再発防止のためにできること
自転車による当て逃げは、自分が悪くない状況でも被害を受ける可能性があります。以下のような対策を講じることで、自衛につながります。
- 背中にドラレコやスマホカメラを向けられるグッズを活用
- 通学・通勤路で危険が多い交差点を把握し、別ルートも検討
- 保険（傷害保険や自転車保険）への加入
- 周囲に「自転車のマナー改善」への関心を広める啓発
また、自治体が開催している交通安全講習会などに参加して、加害者にも被害者にもならない意識を育てることも重要です。
まとめ｜気持ちのやり場と今後の向き合い方
自転車による当て逃げは、物理的な被害だけでなく、心に傷を残すケースも多いです。警察への相談、記録の保存、そして信頼できる人への気持ちの共有によって、少しずつ整理することができます。
「バチが当たれ」という思いも自然な感情です。無理に抑え込まず、自分なりの形で昇華していくことが、前向きな気持ちを取り戻す第一歩です。