慰謝料は自賠責基準と弁護士基準でどう違う?無保険車事故後の賠償手続きとポイントを解説

交通事故に巻き込まれた際、特に相手が無保険だった場合は手続きが煩雑になりがちです。今回のケースのように、弁護士費用特約を使って交渉していても、最初に届くのは「自賠責基準」で計算された金額の提示ということがあります。本記事では、自賠責基準と弁護士基準の違いや、弁護士基準による慰謝料請求の流れについて詳しく解説します。

自賠責基準とは何か?

自賠責基準とは、いわゆる最低限の補償を目的とした国の基準で、治療費や休業損害、慰謝料に一定の上限があります。被害者保護の観点から設定された制度で、交通事故の損害について最低限の支払いを保証します。

たとえば、傷害による慰謝料は通院日数や治療期間に基づいて計算され、通常は日額4,300円程度、上限は120万円程度とされています。

弁護士基準(裁判基準)とは何か?

弁護士基準とは、裁判所の過去の判例をもとに算出される損害賠償の相場であり、通常の任意保険会社の提示金額よりも高額になる傾向があります。慰謝料や休業損害、後遺障害の逸失利益など、あらゆる項目で自賠責基準を上回ることが多く、弁護士を通じて交渉するメリットがここにあります。

具体的には、通院期間6か月で入通院日数が90日であった場合、自賠責では38万円程度に対して、弁護士基準では80万円前後の慰謝料が見込まれることもあります。

なぜ最初に「自賠責基準」の提示が来るのか

交通事故の損害賠償は、まず自賠責保険から先に請求し、次に任意保険や加害者に対して追加請求を行うというのが一般的な流れです。そのため、まず自賠責基準で計算された書類が届くことは自然なプロセスであり、これはまだ最終的な示談案ではありません。

その後、弁護士が介入している場合は、弁護士基準で再計算された金額で示談交渉が行われます。したがって、弁護士基準での計算・交渉はこの後に進行するのが一般的です。

弁護士費用特約がカバーする範囲と活用のポイント

弁護士費用特約を付けていると、自己負担なく弁護士に依頼して損害賠償請求が可能です。特に無保険車との事故では加害者側が対応できないことも多く、弁護士の存在が極めて重要です。

弁護士が介入することで、弁護士基準での賠償交渉が可能になり、示談金の増額につながるケースが多いです。実際には、日本弁護士連合会のガイドラインなども参考にされます。

慰謝料が弁護士基準で計算されるタイミング

弁護士に依頼している場合、治療終了後に必要な書類が揃った時点で、弁護士が弁護士基準に基づいた慰謝料額を算出し、それをもとに加害者やその代理人と交渉を始めます。

自賠責基準の書類は、あくまで第一段階の確認用資料であり、正式な示談金額は今後、弁護士基準で決まっていく流れになります。弁護士が受け取った資料を精査し、あなたにとって最適な条件で交渉を進めるため、少し時間がかかることもあります。

まとめ:弁護士基準での賠償はこれからが本番

無保険車との事故では、まず自賠責基準による最低限の補償が提示されますが、弁護士に依頼している場合は、その後に弁護士基準での交渉が進められ、より高額な慰謝料や休業損害の支払いが期待できます。焦らず、弁護士からの報告や案内を待ちましょう。もし不明点があれば、遠慮せずに弁護士に確認することが重要です。

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