近年、スマートフォンの普及により無断で写真を撮られるトラブルが増えています。特に、友人や知人との関係性の中で発生する無断撮影は、感情的にも大きなストレスになります。本記事では、他人に勝手に写真を撮られた場合の法律的な扱いや対処法について詳しく解説します。
無断で写真を撮る行為は法律的に問題?
結論から言えば、相手の承諾なしに無断で写真を撮る行為は「肖像権の侵害」に該当する可能性があります。肖像権とは、他人に自分の容姿を勝手に撮影・公開されない権利であり、人格権の一種です。
また、撮影された写真が不快感や不安を与えるような形で使われた場合、「プライバシー権の侵害」や「名誉毀損」にもつながる恐れがあります。
肖像権侵害が成立する条件
一般的に、以下の3つの要素が揃うと、肖像権の侵害が成立しやすくなります。
- 本人の承諾なく撮影されたこと
- 個人の顔や姿が明確に写っていること
- 私的空間や信頼関係の中での撮影であること
例えば、職場の休憩中やプライベートな場での撮影は、「社会通念上不相当」と判断されるケースが多く、法的保護を受けやすくなります。
刑事罰が適用されるケース
無断撮影そのものは原則として刑事罰の対象ではありませんが、悪質なケースでは「迷惑防止条例違反」や「ストーカー規制法」の適用もあり得ます。
特に、執拗に繰り返し撮影される場合や、性的な意図が疑われる場合には、警察に相談することで取り締まりの対象となることもあります。
やめさせるための現実的な方法
-
直接的な注意
まずは相手に「撮影されることが不快」であることを明確に伝えましょう。言葉で伝えるのが難しい場合は、LINEやメールなど記録が残る形で伝えるのも効果的です。 -
第三者を交えて対処
職場であれば上司や人事担当者、学校であれば担任などの信頼できる立場の人に相談するのも有効です。 -
法的措置を検討
状況が改善しない場合、弁護士に相談して警告書を送ってもらう、あるいは損害賠償を請求するなど法的対応も可能です。
実際にあった相談事例
ある女性は、友人から何度も無断で写真を撮られ続け、警告しても改善されなかったため、弁護士を通じて内容証明郵便を送りました。その後、相手は撮影をやめ、関係性も整理できたとのことです。
また別の事例では、SNS上で写真を見かけた本人が運営元に通報し、削除対応と警告文が出されたというケースもあります。
まとめ
無断で写真を撮られる行為は、法的には肖像権やプライバシー権の侵害に該当する可能性があり、悪質な場合には刑事罰の対象となることもあります。
まずは冷静に相手に意思を伝えることから始め、改善が見られない場合には第三者や法的手段を検討しましょう。自分の安心と尊厳を守るために、勇気を持って行動することが大切です。